イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ8)

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（２８６）記憶探りページ8

白恋中と雷門中、柊たちを含むみんなは雪合戦で盛り上がっていた。

葉月「聖羅ちゃん。雪サラサラだから触ってみなよー」

聖羅「いい」

リク「ズルいっすよ、リーダー！1人だけ木の上で高みの見物なんてー！」

ジュリ『ちょっと蓮。あなたも下りて来なさいよ。私と遊びなさい』

蓮『そうしたいのは山々だが、セイが俺を抱えてる以上、下りるのは不可能だ』

聖羅「…………」

チトセ「ショウ、頼むから下りて来ーい」

スケール『イ～ヌハ喜ビ庭掛ケマワル～！』

スケールが柊の手の上でキューブ状の機体をぴょこぴょこと楽しそうに跳ねた。

ベニ『おい蓮ー。寒がりなのか？みっともねーなあ』

ジュリ『ちょっと、蓮のことを悪く言わないでよね。このトリ頭』

ベニ『ンだとヒゲ女！？』

足下で揉め始めるベニとジュリの鳴き声……いや、機械音に耳がおかしくなりそうで、心底ふてぶてしく溜息をついた。

聖羅「キャンキャンうるせーな」

そんな文句を垂れながら、膝の蓮をなでた。

……ふと、考えがよぎる。

コイツとは人間以外で唯一、長く一緒にいる。

さっき見た光景について聞いてみるのもアリかもしれない。

聖羅「……なぁ蓮。あたしって遠出したこと、あったっけか」

蓮『遠出？』

聖羅「さっき、ぬかるんだ森の獣道の崖から足滑らせて転落する自分が見えて」

蓮『────……』

蓮は頭をうつむかせ、少しだけ考えるような動作を施した。

……珍しい。いつもなら問いかけには即答するのに。

蓮『……いや。セイが1人で遠出をしたことは一度もないと思われるが』

聖羅「そうだけど。あたしってシンの事故より昔の記憶がないだろ。人間に聞こうにもガキの頃からの付き合いなんていねぇし、いても蓮だけだし」

蓮『俺はセイがアメリカにいた時から一緒にいる。だからそれよりも昔の記憶は、俺にはわからない』

聖羅「そう」

……やっぱダメか。

クロイドは登録する際、飼い主の頭に個体認識チップを埋め込むことによって記憶を共有する。

共有してる以上、記憶がないとすれば、クロイド側が知らないのは仕方がないと言える。

蓮『記憶を辿りたいのであれば、あの日記は見たのか？』

聖羅「日記？……あぁ」

両親が殺害された昔、あたしはとっさになぜかシンの日記を持って逃げていた。

あれから本棚に置いたまま読んでいない。

聖羅「けど、今持ってない」

蓮『それならば、エイリア学園を倒した後でも遅くはない』