イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ36)

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（３１４）雫ページ36

デザーム「覚悟はできているな？お前達を追放する」

レーゼ「デザーム様……」

デザームと呼ばれた黒い宇宙人がボールを蹴るとジェミニストームの目の前で空中停止し、眩い光を放った。

雷門中一同が目を開けた時には、ジェミニストームが忽然と姿を消していた。

聖羅「……、…………」

デザーム「我々はエイリア学園ファーストランクチーム・イプシロン。地球の民達よ、やがてエイリア学園の力を知るだろう」

円堂「イプシロン……。宇宙人との戦いは、まだ終わっていないんだ！」

葉月「……っ」

葉月の目の前で、ノイズの混ざった映像が痛みの次に現れた。

何だろう、コレは……。

ちゃんと知りたくて、注意深く見てみる。

……緑に発光する、黒いサッカーボール。

……雪崩に巻き込まれる、1台の大型車。

……手錠を外し、黒いサッカーボールを見下ろす長身の男。

「あの……が、動……し…か……」

葉月「…………」

その声、姿。間違い無い……。

弾かれたかのように目を開け、荒くなった息を整える。

葉月「聖羅ちゃん。今さっ、き……」

聖羅「…………」

……何で、みんな気付かないんだろう。

普通、気付くはずなのに。俺がおかしいのかな？

彼女の頬を静かに滑る雫が、絶え間なく流れている事に。

蓮『セイ、大丈夫か』

聖羅「…………」

声を掛けられた先を聖羅が見下ろせば、腕に抱えられた蓮がピンクの舌先で彼女の顔を舐める。

聖羅「なんか付いてたか」

蓮『…………。涙が、出ていた』

聖羅「え。……あ」

試しに手の甲で目元を擦ってみると、バンテージに水滴が付いてしっとりと濡れた。やはり無自覚だったようだ。

聖羅「……なんで、涙出てんの。あたし」

葉月「…………」

……コレは、時間を置いてから後で言った方がイイかな？

彼女の追い付かない感情が収まるまで、葉月はあの視えた光景について伝えるのを後回しにした。