イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ17)

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（２９５）適応力ページ17

吹雪「よっしゃああっ！」

カヤ「！また……！？」

吹雪「どけ、どけ、どけ！どきやがれ！ったくショボいなお前らァ！オレについて来れるヤツはいねぇのかァア？！」

一之瀬「勝手すぎるぞ……」

目金「ボクら、もう完全に無視されてますよね」

染岡「ちょっと待った！」

染岡が呼び止めると、吹雪はドリブルするのをゆるゆると止めた。

さっきまでの荒々しさが嘘のように消えて、柔らかな瞳が振り返る。

吹雪「……ん？」

染岡「お前なぁ……！一之瀬も鬼道も、こっちに回せって声かけてんだろーが！」

吹雪「だってボクいつもこうしてたし……」

染岡「白恋ではそうでも、ウチじゃそんなの通用しねーんだよ！お前は雷門イレブンに入ったんだ！俺達のやり方に合わせろ！」

吹雪「そんなこと急に言われても……、そういう汗臭いの疲れるなあ」

染岡「誰が臭いって？！誰が！！」

一之瀬「まぁまぁ……」

土門「落ち着けって、染岡！」

目金「とは言え、世界トップレベルのチームの中には、個人技を活かしたプレイスタイルを重視する所もあります。
吹雪君を中心とした白恋中は、まさしくそうしたタイプなのでは？」

染岡「ウチはウチだ！白恋じゃねえ！どんなにスピードがあろうと、こんな自分勝手なやつと一緒にやれるか！ムリなんだよ、ウチに豪炎寺の代わりなんて！」

染岡が噛みつくくらいの勢いで不満を口にする。

前に「エースストライカーの座は譲ったワケじゃねぇからな」とか言ってたヤツがよく言う。

人間は突然変わった環境の中にいても、無意識の内に適応しようとする傾向がある。

これまでのいくつかの出来事を考えても、瞳子が豪炎寺を外したのはそれに合った理由があるのだろう。

試合でも何でも、瞳子の判断に狂いは、今のところひとつもない。

風丸「それはどうかな。……俺は吹雪に合わせるよ」

染岡「はあ？！お前、何言って──」

風丸「俺にも、吹雪のあのスピードが必要なんだ。エイリア学園からボールを奪うにはあのスピードがなくちゃダメなんだ。そうでなきゃ……また前の繰り返しだ」

思い知らされた力の差は、無くなるまで悩みとして残る。

風丸の場合は、チーム1のスピードの持ち主というのもあるから、格の差を知って貪欲になっているというところだろう。

吹雪「だったら、風になればいいんだよ」

円堂「……？風？」

円堂たちを横に見ながら、吹雪はにっこりと微笑む。

吹雪「おいで。見せてあげるから」