イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ11)

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（２８９）叶わないページ11

聖羅「なにが」

円堂「オレは空翼の髪、いいと思うぜ？太陽じゃなくて、月とか星みたいに静かにキラキラしててさ。キレイだなって──」

そこまで言いかけて、円堂は「しまった」みたいな顔をして真っ赤になった。

……やっぱりなにを考えてるのかわからない。

そう思いつつ、グラウンドに足を進める聖羅を、円堂は追いかけた。

＊

チトセ「おい。まだ寒いのか、お前」

カヤ「サムイィ……フゥちゃあん……今回出るのやめてもいぃかなぁ……？こんな寒いのに半袖のユニ着たらマジで逝っちゃうわ……」

風丸「大丈夫か、カヤ……？」

葉月「さすがにこの気候じゃあね。カッちゃんが今にも死にそうだ」

リク「そうですね」

カヤ「もぅ、やだ……。キャラバン戻りたい」

半泣きのキョウを横に見つつ顔を上げると、後ろから雪を踏みしめる音がした。

……円堂守とショウだ。

ショウは自分のクロイドを腕に抱き、その後ろに円堂がいる。

葉月「おや。聖羅ちゃんが下りてくるなんてねえ。俺達が何言っても頑として動かなかったのに、彼ならいいんだ？」

聖羅「コイツしつこいし、見るだけ」

隣のバンダナを親指で指す。

なるほど、しつこいと反してもねばるからとりあえず自分の都合自体がまだマシな様になる応じ方をした訳か。

ショウは自分の良い様にしか絶対動かないのに、3割程は相手の理にかなった方法をわざわざ選ぶとは、どういう風の吹き回しだろうか。

そもそも、今日のショウはどこかおかしい。

吹雪にすいとんを渡そうとして、その魔法瓶を何も言わずに差し出したり。

今だって嫌いで見向きもしないサッカーを「見るだけ」とか言いつつ、不本意ながらも此処に来たりなど、気遣うことをした試しはこれまで無かったというのに。

…………。

……俺の出来なかったことを、円堂守ならやってのけるというのか……？

葉月「ん、どうかした？チトセ君」

チトセ「いや……。なんかもう、俺は円堂守に勝てる気がしない、と思ってな」

葉月「…………。それって、円堂守以外の人を聖羅ちゃんが好きになるかもしれない、ってコトを考えた上で？」

チトセ「……え？」