イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ40)

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（３１８）裏切られた子どもたちページ40

遅れて聞こえた怒鳴り声で我に返ったそいつは、身軽な動きで茂みの奥へ逃げようとする。

塔子「あ、待て！」

葉月「ダメだって、そこ落とし……」

塔子「うわああっ！？」

廊下の手すりを飛び越えた塔子が裏返った悲鳴を上げる。

葉月「あ、な……。あ、遅かったかな？」

円堂「どうなってんだ？」

垣田「全くしょうがないやつだ。ちょっと目を離したらすぐにさぼって……」

道場の裏から、ボールを小脇に抱えた面長の男が溜息を吐く。

落とし穴から這い出る塔子に気付いて、駆け寄った。

塔子「あいつめ……」

垣田「大丈夫ですか？」

塔子「え？あ、大丈夫大丈夫、これくらい」

ほっとした様子のそいつは、左掌に右拳を当てて頭を少し傾ける。

いわゆる抱拳礼(ほうけんれい)というものだ。

立ち上がって廊下側の雷門一同にも、同じく一礼する。

垣田「申し訳ございませんでした。うちの部員がとんでもない事をいたしまして」

円堂「うちの、部員？」

一之瀬「ってことはあいつ……」

「「サッカー部う？！」」

染岡「あいつがかよ？！」

垣田「ええ。木暮というのですが。それが困ったやつでして。周りは全て敵だと思っているというか……」

秋「敵？」

垣田「それで私達も、練習させるより、まずは鍛錬を鍛え直す事から始めた方が良いのではと、1から修行させているのですが……。
いくら説明しても、木暮は自分だけがいじめられていると決めつけて。
あいつにとっては仕返しのつもりなんでしょう」

土門「あー……、かなり性格ゆがんでるなぁ……」

目金「同じサッカーをする者として恥ずかしい限りですねえ。ああ壁山くん、もう少し右です」

さっき足を捻った事を根に持つ目金は、壁山に肩揉みをしてもらっていた。

夜日名「目金様も大層なレベルで恥ずかしい人なのですが」

カヤ「それな～」

秋「でもどうしてそんなにみんなの事が信じられないのかしら？」

垣田「……木暮は小さい頃、親に裏切られたようで」

春奈「……！親に？」

垣田「ええ。それ以来、人を信じる事が出来なくなったみたいなんです」

チトセ「(……親に、か)」