イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ10)

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（５８）野生中ページ10

円堂「こ……、ここが野生中？こんなジャングルの中にあったんだ……」

夏未が用意してくれたバスで辿り着いたのは円堂の言う通り、山奥というよりジャングルと言ったところだろう。

木や林が生い茂っており、随分と入り組んだ土地だ。

状況的に、いろいろと圧倒されてものが言えなくなったが、その空気の読めない集団が突然現れた。

「コケッ。これが車コケッ？初めて見たコケッ！」

「タイヤが4つも付いてるチー」

「すげーっ。中は機械でいっぱいだゴリ」

聖悟「うっわ……夏未さんのリムジン存分に弄ってやがる……」

夏未「な、何なの？」

春奈「あっ。あの人たちですよ。野生中のサッカー部！」

染岡「こっ……こんなのに負けられっかよ……」

自然の中にできた田舎のような校舎の前には、サッカーフィールドが設置されていた。

たくさんの生徒たちが、耳をつんざくような大歓声をあげている。

円堂「観客がいっぱいだ！本当にフットボールフロンティアが始まるんだな。燃えてきた！応援に来てくれた人ためにも、頑張ろうぜ！」

風丸「って、全部野生中の応援だろ」

染岡「俺たち弱小サッカー部の応援なんているわけ……」

円堂「いるんだよ、ほら！」

「「雷門中ー！頑張れー！」」

円堂の指差す方向には、3人の小学生がいた。
中の1人には、壁山……に似た子どももいる。

壁山「さ、サク？！」

サク「兄ちゃーん、応援に来たよー！あれがオレの兄ちゃんだー！」

「あの帝国に勝ったー！」

「おまえの兄ちゃんすげーんだな！」

サク「うん！」

壁山「お、オレ……トイレ行ってくるッス」

円堂「もうすぐ試合が始まるんだって！」

円堂たちが必死になって壁山を止める。

……プレッシャーか。

応援が来るとは思わなかった。

だが、聖悟はそれ以上に真剣な目と顔をしている。

普段から無表情だが円堂たちでも、敵の野生中からでも、その熱意が伝わってくる。

角馬「いよいよ、フットボールフロンティア地区予選一回戦！雷門中VS野生中の試合が始まります！！」

壁山「ど、どうか、イナズマ落としをしなくても済みますように……」

震える壁山はみっともなくも、そう祈っていた。

そしていよいよ、始まりのホイッスルが響いた。