イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ9)

今日:27 hit、昨日:3 hit、合計:33,142 hit

（５７）夜ページ9

聖悟「……ただいま」

雅「おかえりなさ、……？」

聖悟「……なんですか」

雅「えっ？あ、ううん、何でもないわ。
それより、新しく入った学校の部活はどう？」

聖悟「…………。円堂っていう、変なヤツがいます」

雅「変、というと？」

帰宅後にいつも用意してくれる紅茶とクッキーを準備しながら、雅は興味深々に聞いていた。

聖悟「なんと言うかこう……。タイヤを利用したりとか、他にも色々」

雅「あら、健気な人じゃないですか」

聖悟「どこをどう見たらそういう結論が出るんですか。
ただのバカですよ。それより、そろそろ夕食の支度しないといけないんじゃないですか」

雅「あら、もうそんな時間？」

聖悟「部屋に戻ります。明日はフットボールフロンティア地区予選一回戦が始まるので」

雅「わかりました。それじゃあ、今日は明日の試合に勝てるよう、ヘルシー且つスタミナのつくものを作りますね！」

聖悟「はぁ……」

制カバンを掴み、聖悟は自室へと入っていった。

やる気も出ないこの時間。聖悟は制服のままベットへと倒れこんだ。

横になって机の上にある写真立てを見ると、そこには男女の大人と、笑っている1人の少年が写っている。

それは、聖悟の顔の知る者。

聖悟「僕のせいで、“あの人”は死んだんだ。早めに策を打っておかないとな」

課題は既に学校にいる間に済ませた。

その上、実際にはそんなに疲れていない。まだまだ体力なら有り余っている。

聖悟「……あ」

聖悟はなにか思いついた顔をして頭を起こすと、カバンの中にあるタッチパネル式のケータイを取り出し、電話をかけた。

耳に当てて待機していると、わずかワンコールで電話に出てくれた。

『……はい』

聖悟「リク」

リク『えっ、リーダー！？どうしたんすか。住処になら、今日は寄らないっすよ？』

聖悟「今、ヒマか」

リク『へっ？あ、はい。もうあとは夕食食べて、寝るだけっすよ』

聖悟「悪いけど、水狂言とチトセにも連絡しろ。夕食後、いつものあそこで待ち合わせだ」

リク『……あ、はい！いつもの“アレ”っすね！しかと、承りましたリーダー！』

聖悟「じゃあな」

リク『うっす！』

一方的に電話が切られる。

はきはきとした声が耳を刺激してぎんぎんするが、今夜の暇つぶしができた。

聖悟「さて、少し悪者狩りでもするか」

今日もまた、楽しい夜になりそうだ。