イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ8)

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（５６）気になるページ8

聖悟「…………」

円堂「あー、大丈夫か天空？」

聖悟「これが大丈夫に見えんのなら、アンタの目は眼科で取り替えて貰った方がいい。なんなの、あの特訓。
プールの飛び込み台から高さを慣らすとか、フツーやんねーし。
おかげで壁山がプールに落ちて水かぶるわ、その後ずっと他の方法に付き合わせられるわで不幸続きなんだけど」

自分でも鬱憤晴らしになってはいないと思うが、文句が次から次へと出てくる。

円堂「うぅ……ごめん」

聖悟「……今思い出したんだけど、ジャージ返してもらってないよな、アンタ」

円堂「え？」

聖悟「『え？』じゃねぇ。水狂言と会った時に貸しただろうが。
アンタがユニのままで出歩いてたから貸した、ファスナー付きの黒ジャージ」

円堂「あー……ごめん。あれ、訳あってすぐには返せないんだ。
もう少し待っててくれないか？」

聖悟「は、なにそれ」

フェイスタオルで頭を拭きつつ、聖悟はブツブツと文句を言った。

＊

円堂「…………」

別に返せないわけじゃない。

だけど天空にジャージを投げつけられて、アイツの匂いがオレの鼻をかすめた時、何故か無性に返したくなくなってしまった。

返したいけど、返したくない。

……何故だろう？

円堂「……変なの」

豪炎寺「………んどう、…い、円堂？」

円堂「うぇ？な、なに豪炎寺？」

豪炎寺「『なに？』じゃないぞ。壁山の高所恐怖症を、どうやって改善するかを話してるんだろ」

円堂「そ、そうだったな。う～ん……」

豪炎寺「…………」