イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ50)

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（９８）呼び名ページ50

円堂「腹減ったぁ～。みんな、雷雷軒に寄っていこうぜ！」

壁山「いいッスね！」

染岡「ああ、ハラペコだ」

半田「オレ、チャーハンにしよっかな～？」

少林寺「ボク、チャーシュー麺♪」

宍戸「セレブだな？！」

部活後の会話。

これからどうしようか。

どこ行こうか……。

そんな会話が、部室の空気を明るくしていた。

円堂「なぁ、聖悟も一緒に行こうぜ！」

聖悟「……聖悟？」

確かに今、円堂は自分を下の名前で読んだ。

今までずっと名字で呼んでいたのに、一体どういう風の吹き回しなのか。

聖悟「……なんで名前呼び」

あまり動揺せず、聖悟は落ち着いて質問する。

円堂「なんか、アマノソラって、言いにくいからさ」

円堂らしい単純な答えが返ってきた。

だが、自分は人間から名前で呼ばれるのに対して好ましくない。

聖悟「やめろ」

ロッカーを強めに閉じ、静かな低い声で抗議する。

徐にエナメルのショルダーバッグを掴んで、早足に部室から退出した。

染岡「……なんだよアイツ。感じワリィな」

円堂「…………」

土門「ワリィ、オレ、先に帰るわ」

土門は着信音の鳴るケータイのディスプレイを見て、あらかじめ断る。

円堂「おぉ、じゃあまた明日な！」

土門「じゃあなっ」

・

・

聖悟「……やっぱ、土門は影山とまだ繋がりがあるんだ」

壁に寄りかかり、わかったような口をする聖悟は、姿を眩ませるために建物同士の間へ歩いた。

“闇の片割れ”へ足を踏み入れる刹那、それに触れた緑の目は不気味に赤く燃え、残光が尾を引いて輝くのだった。