イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ49)

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（９７）ズレページ49

聖悟「僕が言った通りの結果になっただろ」

春奈「ほ……本当ですね」

秋「すごい……。本当に決勝戦まで勝ち進むなんて、思ってもみなかった」

聖悟の予告通り、雷門中は秋葉名戸学園に勝ち、こうして河川敷グラウンドで特訓に励んでいた。

聖悟「……まぁ、これに【ズレ】が生じ始めるのも、時間の問題なんだけど」

春奈「ズレ……ですか？」

聖悟「例えば音無さん。風丸は、初期のデータと比較してどう進歩している？」

グラウンドでディフェンスの練習をする風丸を、春奈はじっと観察し、メモ帳のデータと今のプレイを照らし合わせた。

春奈「え～っと…。それぞれのパラメータが上がっています」

聖悟「他には」

春奈「中でも、スピードの数値が一番高い……ですね。
脚力やボールコントロールよりも」

聖悟「じゃあ、僕の言う、【ズレ】が生じるとどうなる」

春奈「え～っと……ん～……？」

淡々と流れるような質問と回答の繰り返しのリズム。

だが、それも聖悟の3つ目の質問で途切れてしまう。

彼の言う【ズレ】。

その繋がりがわからない限り、答えは導き出されない。

聖悟「……ま、今すぐに答えが出なくてもいい。ゆっくり考えて、答えを出せれば」

秋「天空くん。そんなにたくさんサッカーの知識があるのに、どうしていつも出ないの？」

聖悟「……試してみたいことがあるんだ」

秋「それって……？」

秋が質問しようと口を開いた途端、手に握られたストップウォッチが、練習終了を告げる。

聖悟「……みんなに呼びかければ」

秋「あっ…、うん」

練習の終わりを知らせるため、秋はホイッスルを吹いた。

秋「はーい、今日の練習時間は終わりでーす！」

聖悟「…………」