イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ45)

今日:16 hit、昨日:3 hit、合計:33,131 hit

（９３）観客席では… ページ45

リク「チトセさん、カヤさん！早く早く！もう試合始まってます！」

チトセ「わかったから騒ぐな、みっともない」

カヤ「お～っ、やってるやってる」

額に手を当て、水狂言はフィールドをあちこち見渡しながら呑気な声を出した。

チトセ「……やっぱり案の定、聖悟は出ていないな」

カヤ「そうっぽいな。それより雷門中応援しようぜ。
ソラが負けちまったら元も子もないしさ」

リク「カヤさんの言う通りです。
今日は応援に来たんですもんね！」

チトセ「残念だが、もう前半は終わっているようだぞ」

柊の指差す先は、選手が休憩するベンチ。

雷門イレブンがスポーツドリンクを飲み、タオルで汗を拭いている様子からするとハーフタイムに入っているのは一目瞭然だ。

カヤ「それに比べて、相手の秋葉名戸はゲームばっかしてるぜ。サッカーをナメてんのかアイツら」

空席に乱暴に腰かけながら、水狂言は文句を付ける。

チトセ「お前が言うな」

カヤ「いてっ」

呆れ顔の柊が、水狂言の頭に拳を軽く突いた。

リク「……あっ！チトセさん、カヤさん。あれ、見てください」

チトセ「ん？なんだ、リク」

カヤ「どうかしたのか？」

突然叫ぶ皐月は、観客席から身を乗り出して指差した。

聖悟「……木野さん」

秋「ん、なあに？」

聖悟「なんで秋葉名戸はハーフタイム中にゲームなんかしてんの」

秋「えっと……、さあ？」

聖悟「…………。いっそのこと、一発潰すか」

風丸「いやいや、ダメだってそれは！俺達が退場になっちゃうだろ！」

ほんの軽い冗談で言ったつもりなのだが、風丸は激しく動揺した。

聖悟「あんな参加校最弱のチームに、アンタら引っ掻き回されてるんだぞ。
あんなクソどもに振り回されているくらいじゃフットボールフロンティア優勝も夢のまた夢だ。
もっとしっかり気を引き締めろ」

リク「……なんか…………ね？」

カヤ「あぁ……」

チトセ「……ショウが人間に指図してるな」