イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ30)

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（７８）好きか、嫌いかページ30

ハーフタイムの終わる時間が近づいても、聖悟の脳裏には円堂の言葉が何度も過った。

＿＿そんなサッカーやってて楽しいのか？！

聖悟「……バカじゃねぇの」

円堂「どうしたんだ、天空？さっきからぼんやりして。まだ眠いのか？」

聖悟がベンチでダラけているところへ、隣りに円堂が座ってきた。

聖悟「……もう目は冴えた」

円堂「そっか」

聖悟「…………。あのさ、円堂にとってサッカーって、なに」

円堂「オレにとって？そうだなぁ……楽しくって、仲間とボールで通じ合うスッゲー事……かな？
強い、弱いなんて関係ない！楽しければそれでいいんだ！天空だって、サッカーが好きだから入部してくれたんだろ？」

単純且つ、シンプル。

そう答える円堂の心はまっさらで曇りがない。

そのくらいサッカーに深い情熱が注ぎ込める意志があるのだろう。

聖悟「違う。率直に言ってくだらない遊びで、ただの気休めに過ぎない。楽しいなんて感情、持ったことがないから」

円堂「えっ……」

聖悟「自分を特別視してないけど、負けるような惨めな思いはしたくない。何に関してもな。……ただ“あの人”のために償いたい、それだけだ」

円堂「天空……？」

聖悟「ハーフタイム終わる。どうでもいい話だし、聞き流して」

ベンチから立ち上がり、グラウンドへと向かおうとドアの取っ手に手をかけた。

円堂「だったら……！」

聖悟「…………」

円堂「今から好きになればいいだろ？簡単なことだよ！」

聖悟「…………。……無理」

それで済ませられることなら、とっくにそうしている。
それでもダメなのは……

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聖悟「サッカーが嫌いだから」