イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ29)

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（７７）楽しい、ということページ29

結局、雷門中は不意を付かれて先取点を許されてしまった。

前半の余った時間は、相手がうまく潰して終わった。

春奈「どうしよう……先取点取られちゃいましたよ！？」

秋「キツいわね……。こっちの必殺技は、みんな止められちゃうんだから……」

夏未「大丈夫よ。彼らはイナビカリ修練所での特訓で、ひとまわり大きく成長したのだから」

聖悟「あのさ……あそこで、必殺技の特訓は……できなかったんだけど」

夏未「あら、そうなの？」

言いたいことだけを言った聖悟は、再びベンチにもたれた。

秋「もう、天空くん！寝たらダメだってば～！」

夏未「ムダな投資だったかしら……？」

控室に戻る杉森たちを、円堂は引き止めた。

円堂「杉森！なんで攻撃しないんだよ？あれじゃサッカーにならないだろ？！」

杉森「……それが、監督命令だ。
10点差でも1点差でも同じ勝利だ。リスクを起こさずタイムアップを待つ」

聖悟「ふざけてんの、機械ヤローが」

唐突に聞こえた打撲音に、円堂たちは驚異の目を瞠った。

先ほどまで面倒だの眠いだのと言っていた聖悟が壁に握りこぶしを叩きつけていたのだから。

円堂「あ……天空？！」

円堂の後方から現れた聖悟は、真っ先に杉森の胸ぐらを引っ掴んだ。

聖悟「前に、僕以外全て雷門のデータを把握してるっつったな。何もかもデータの思い通りになると思わないでくれる」

杉森「すべて把握している上で、お前たちは我々からゴールを奪えない。お前たちの負けだ」

円堂「そんなの、わかるもんか！勝利の女神は、勝利を強く信じる方に微笑むんだ！」

杉森「データに無いことは、決して起こり得ない」

円堂「データ、データって…！そんなサッカーやってて楽しいのか！？」

杉森「……たの、しい？」

聖悟「…………」