イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ17)

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（６５）偵察ページ17

夏未「必殺技の練習は、禁止します」

秋「夏未さん」

円堂「いきなり何を言い出すんだよ？必殺技無しで、フットボールフロンティアを勝ち抜けるのかよ！？」

すぐさま円堂は、予想通りの反応を示した。

聖悟「全く……」

「あれが見えてねーの」と付け加え、聖悟は今まで見ていた所に顔をくいっと上げて差し示す。

向けられた方向には、人集りのできている橋が見える。

円堂「あれって……オレ達のファンだろ？」

目を輝かせながら訴える円堂。

どうやら彼らがとんでもない勘違いをしているという事実は変わらないようだ。

豪炎寺「あれはファンなんかじゃない。他の中学の偵察隊だ。…俺たちのデータを、取りに来てるんだ」

「「偵察〰〰ッ？！」」

夏未「全く無名のチームが帝国学園に勝ち、そのまま連勝を続けているのよ。当然起こりうることだわ」

春奈「……わかった！偵察されてるとなると、必殺技の練習は、ライバルにこっちの手の動きを見せちゃうことになるんですね！」

夏未「その通りよ。だから禁止します」

豪炎寺「確かに、必殺技を研究されるのは不利になるだけだ」

円堂「けど、必殺技なしでどうやって」

豪炎寺「円堂。必殺技だけがサッカーじゃない。パス回し、トラップ、シュート………やることは山ほどある」

円堂「……！だったら、誰にも見られない練習場で練習しよう。必殺技のさ！」

ふさぎこんだ円堂は、何か思いついたようにパッと顔をあげて提案をした。

豪炎寺「そんな場所、何処にあるんだ」

円堂「でもさぁ、必要だろ？」

そんなこと、できるはずがない。

さすがに夏未でも、この円堂の前向きすぎる発言にため息が漏れたのだった。

雅「おかえりなさい、聖悟さん」

聖悟「……どうも」

帰宅してからの一言が、どうもってどうなのだろうか。自分で言っておいてそう思った。

雅「どうしたんですか？少し様子がおかしいですよ？」

聖悟「……実は」

聖悟は今日あった出来事を全て話した。

河川敷で偵察されていたこと、必殺技の練習を禁止されたことを……。