イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ13)

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聖悟「今のところ、試合を支配しているのは野生中だな。前半でこんなにスタミナが削られるとかねぇわ、マジで」

壁山「キャプテン、オレをDFに戻してくださいッス」

円堂「壁山？」

壁山「ダメなら交代させてください。オレにはイナズマ落としはできないッス。これ以上ボールを上げてもらったって……」

円堂「いいや！DFには戻さないし、交代もさせない！オレはお前と豪炎寺にボールを出し続ける！
高いのが怖いって言いながらお前、あんなに努力してたじゃないか！
精一杯やった努力は、ムダにはならないよ！きっと実を結ぶさ！
だから、何度でもお前のところへボールを上げ続ける。いいな？」

壁山「でも……オレは……」

サク「兄ちゃん……」

試合後半、円堂は手を真っ赤にしているにも関わらず、気合だけで全てのシュートに喰らいついていった。

円堂「ぐっ……。痛くなんか……ない！」

一心に痛みを耐える円堂は、豪炎寺と壁山の元へとボールを送る。

壁山「何度上げてもらっても……」

豪炎寺「壁山ァーッ！！」

壁山「オレにはムリッス……」

すでに、諦めてしまっている。

そんな壁山に豪炎寺は舌打ちし、1人でシュートを打とうとするも鶏井に取られてしまう。

壁山の自信が落ちている今、野生中にとって最大のチャンスである。

円堂「く……っ、このゴールは……割らせない！」

円堂ばかりに負担をかけまいと、フィールドの風丸たちも発奮して複数でプレスをかけ始める。

染岡「ゾーンプレスか……。
確かに有効的な方法だが、相手よりも動きまわるからどんどんスタミナが減っちまう。
前半でかなり体力を消耗してるっていうのに、やっぱりアイツの頑張りがみんなを……」

円堂「すげぇぞ、みんな！」

壁山「でも、オレは……」

地面に腕を付く壁山。その彼を一喝するような怒号が、グラウンドを包み込んだ。

聖悟「あーもう！グジグジグジグジ、ウゼェんだよ！！」

壁山「……！天空さん……？」

聖悟「小せぇことでいちいち悩んでんじゃねぇぞデクが。
できないからって理由付けて挫折すんじゃねぇ。できないからやるんだろーが。
目を閉じるっつーことは、アイツらの努力も無駄になるってことにもなんだよ。
自分に都合のいい理由付けて、暗くなんな」

壁山「……！」

壁山は、強く心を打たれる感覚を感じた。
吹っ切れたのか、地をついていた手は離れ、拳が握られていた。