イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ12)

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（６０）苦戦ページ12

一時、試合を中断してもらい、秋が救急箱を持ってきた。

秋「……足首を捻ってる。試合は無理だわ」

円堂「選手交代しかないか……」

目金「ど、土門くん、君にチャンスを譲ってやるよ。決して、ビビっているわけではないからね……」

土門「チャンス、ねぇ？」

聖悟「クズしか言わない常套句だな、それ」

あまりにも無惨すぎて、聖悟はため息を吐いた。

角馬「雷門中、染岡に変わって土門が入りました。土門はDFに、そしてなんと染岡の代わりに壁山がFWの位置に上がっています！」

壁山「ちょちょ、ちょっと待ってくださいッスよ。お、オレがFWって……」

豪炎寺「ドラゴントルネードが使えない今、頼りの綱はイナズマ落としだけだ」

大鷲のスローインを香芽が受け取ってドリブル。そこに、土門が立ち塞がった。

土門「さてと、いっちょいきますか！キラースライド！」

目にも留まらぬ高速蹴りで、ボールをたやすく奪ってしまった。

円堂「やるじゃん、アイツ！」

豪炎寺「(あれは帝国のDF技？！)」

何故、帝国の技を土門が持っているのかなんて、誰も知る由もない。

だが、そんなことを気にしているのも束の間。
土門は程よい高さで2人にセンタリングを上げた。

豪炎寺「いくぞ、壁山！」

壁山「は、はいっ！」

同時に跳ぶ2人。しかし鶏井はそれを上回る跳躍力で、上を取った。

豪炎寺「(だがその高さなら、二段ジャンプで越えられる！)壁山！」

壁山「ひぃいっ！」

案の定、下を見て怖がる壁山はバランスを崩した。そのスキにボールを取られる。

「「サクのにいちゃんカッコ悪りぃ……」」

サク「うぅ～……」

壁山「やっぱり、オレにはできないッス……」

角馬「野生の本脳が爆発！恐るべき身体能力と個人技に、雷門中、ボールに触れることもできない！
雷門中、せっかくマイボールにしても豪炎寺と壁山の攻撃ミスですぐに野生中ボールになってしまう！野生中、シュートの雨霰！
円堂、負けじと渾身のセーブだが……！」

蛇丸「スネークショット！」

円堂「ふんっ！！」

前半最後のシュートを止めた円堂。

その手からは、一筋の湯気らしきものが出ていた。