宇宙最強の恋人[銀魂][神威]８ (ページ7)

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逃げる弱い兎ページ7

[神威]

Aは意識がなくなって呼吸も浅くなっていった。

高杉「早く医務室に連れてくぞ！」

神威「わかってる」

俺はAを抱えて急いで船の中の医務室に連れていった。

医者に集中治療をするから、廊下で待っててくれと言われて俺は廊下で待つことになった。

A……。

俺は集中治療室の前の廊下の椅子に座って、Aが助かることだけをずっと祈る。

だけど少し嫌な予感がしてきた。

Aは助かるのか。
リミッターが外れてボロボロの体をあんなに動かして、血も大量に出血してて地面は血の海だった。

いくら夜兎でもあんなに出血したら死んでいてもおかしくない…。

もしもAが奇跡的に助かったとして、この先歩けるのだろうか…。

神威「っ………」

俺は…弱い…。

俺の弱さが、また大切な人を……。

俺はあの時、銀髪のお侍さんに逃げているだけと言われた。
その時に逃げないと決めたのに…

華月とAのどちらが大切か二人に聞かれても、しっかりとその質問に向き合わなかった。

どちらも大切、そんな生半可な答えを出してしまった。

俺はまた、逃げていたんだ……二人から。

そして、性格が変わってしまった華月にも気づかなかった。
いや、薄々気づいていた。だけどそれを認めたくなかった。幼馴染みが変わって欲しくない…そんな願いがあったから。

結局は華月の性格に向き合うのが怖くて逃げていた

Aは俺に言いたい事を言わなかったから謝ってきた。それでAは言いづらいのに、しっかりと華月と殺り合うと俺に言ってきてくれた。

Aは逃げずに俺に向き合ってくれたのに…
俺はAから逃げて、どちらも大切という返事しか返せなかった。

A……本当にごめん。
こんな俺でもAは好きでいてくれる？

俺は逃げてる、ただの弱い兎だ。

でももしもAがそれでも好きと言ってくれるなら
俺は逃げない、逃げたくない。向き合おうと思う。

だから…生きて。頼む……。

俺がそう願って3日。
ずっと治療室から医者は出てこなかった。

3日間廊下の前でただずっと座って祈り続けた。

ウィーーン

治療室から医者が出てきた。

俺は駆けつけて医者の前にいき

神威「Aは！？」

俺がそう言うと、医者は首を横に振り

医者「残念ながら、Aさんは息を引き取りました……」

その瞬間目の前が真っ暗になって、俺は地面に崩れ落ちた。