Distiny【Mizuki & Ryo】

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昨日の今日で、気まずさはあるけれど。


今日も変わらずいつもの時間、いつもの場所に向かう。




「…おはよ、」




聞こえてくるのは不機嫌そうな、瑞稀の声だけ。




「あれ、Aは？」


「…起きたらもう家出てた」




この様子だと、喧嘩でもしたか？




「喧嘩、した？」


「…してない」




聞き出そうとしても教えてくれないだろうし、Aに聞いた方が早い。


そ、と納得したフリをして足を進める。


Aがいない、朝はやっぱり、静かだ。


いつもなら、Aを苦しめるだけのヒナちゃんがちょっとだけ恋しくなる。


……早く、瑞稀のこと、引き取ってくれねえかな。




「瑞稀くん、橋本くんおはよう！……あれ、Aちゃんは？」


「今日先行ったの、じゃ、俺はここで！」




いつもは振り返ったりしないけど、何気無く後ろを振り返ってみると、


死んだ顔をしている瑞稀とハイテンションなヒナちゃん。


正反対な二人が肩を並べて歩く。


二人とも可愛らしい顔立ちで、身長差だっておかしくない。


でも、どこかアンバランスに見えて、


瑞稀の隣に、一番ふさわしいのはAだなぁ、と改めて実感。


どうして瑞稀は、あの子と付き合い始めたのだろうか。


今更ながら、そんな疑問が頭に浮かぶ。




「好きだから？」




いや、きっと違う。


何か、あるはずなんだ。


人様の恋愛よりも、まずは自分か。


なんて考えていると、あっという間に教室に着く。


騒がしい教室で一人、


ボーッと窓の外を見るAを見てぎゅっと胸が締め付けられた。




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