その6 ページ24
「ーーハッ!」
気がついた時には既に、血塗れの取引相手がゴロゴロ転がっていた。
(...やってしまった)
後悔した時には遅い。
この商談は間違いなく破断になるだろう。というかそもそも、コイツらは生きて居るのだろうか。
色々な考えがグルグルと頭を駆け巡る。ごちゃごちゃして考えが纏まらないが、ただ言えることは一つ、私はとんでもないことをやらかしたという事だ。
折角高杉さんが進めていた仕事を、私のせいでナシにしてしまった。ヤバい。どうしよう。どうしよう。あわわ。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!私のせいでこんなことになってしまって!本当にすいませんでした!お詫びにと言ってはなんですがーーいや、私の命ごときでどうにかなるとは思えませんが、腹を切る覚悟です!」
そう言って懐にある短刀を取り出し、鞘を抜く。そして勢いよく突き立てようとすると、
ーー「待て」
高杉さんがそれを制した。
「別に謝る必要なんざねーよ」
「で、でも私のせいで!」
「お前は組織の一員としてよくやった。お前が暴れちまったのも、この俺を思っての事なんだろう」
だから、と続けて高杉さんは語る。
「...謝らなくてもいい」
「高杉さん...」
その瞬間、目の奥がじわりと滲む。ポロポロと溢れてくるそれを必死で拭うと、高杉さんの手が、私の頭に置かれた。
「ありがとう...ございますゥ...それに、ごめんなさい...」
「気にしちゃいねーよ」
「一生...貴方に着いていきますゥゥ...」
「そりゃァ嬉しい限りだ」
「...こんなときに、ごめんなさい...でも、どうしても伝えたくて。...言っても、良いですか?」
「...何だ」
「好きです...大好きです...っ!」
「...知ってる。いい加減泣き止め。過ぎたことだ、忘れろ」
「うわーーーーん!!」
高杉さんはそう言ってくれたけど、やっぱり自分がやらかしてしまったのは紛れもない事実で、暫くの間引きずった。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時