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笑って少女3 ページ4

歌舞伎町。



「げ、くそサド」

「ぁ?…なんだてめェかィ」

「おーどうした神楽…あれ、総一郎くん」

「旦那ァ、総悟です」

「こんなところでサボりアルか、
とうとう頭イカれたアルか」

「それはこっちのセリフでィ」


最近オープンしたばかりの
可愛いアクセサリーショップ。

若い女性はさることながら、
幅広い年代に愛される、今人気のお店。

やはり店内は女性だらけであるが、
ちらほら、と男性の姿も見えることがある。


「俺ァ今忙しいんでィ。旦那にかまって貰え」

「可愛い簪アルな、まさか自分」
「なわけねぇだろィ。あんまり邪魔すると
公務執行妨害で逮捕してやるぜ」

「…」

「…」


サーモンピンクの髪に大きな青い眼、
赤いチャイナ服に仕込み傘を携えた神楽、

死んだ魚の目で銀髪をガシガシとかいて
欠伸をした大柄な男、坂田銀時。

二人は万事屋、珍しく入った依頼を終えて
帰る途中、見るだけでも、と
神楽に無理やり連れてこられた坂田だった。


いつもなら突っ掛かってくるはずの沖田に
神楽、坂田は顔を見合わせる。


「総一郎くん、誰かにプレゼント?
まさか春が来ちゃったとか」

「さっきから顔がニヤけっぱなしヨ、
気持ち悪いネ」

「俺ァもう行くんで。冷やかしは
ほどほどにして帰った方がいいですぜィ」


店の隅でコソコソと話す二人に
後ろから声をかけて出ていく沖田。

心なしかその足取りは軽く、
顔も真顔を装っているが
付き合いのある二人にはわかる、
…アイツは今テンションが高い。

いつも通りポケットに手を突っ込んでいても
片手には店の袋がかかっている事も証拠。

先にある甘味処に直行するのを見て
神楽、坂田は互いに笑みを浮かべた。


「銀ちゃん、」

「俺らも挨拶しねぇとな、」


どこから取り出したのか
サングラスに帽子、マスクをつける二人。

あちこちの電柱の隠れながら…
どうやら沖田の後を追うことにしたらしい。


沖田はちらりと背後を振り返ったが、
気づいていないのか、
相手にするのを面倒だと思ったのか、
恐らく後者だが、
持ち帰りの団子を受け取ると歩き出した。



「…銀ちゃん、この先って」

「屯所、だよな」


迷うことなく沖田は
足を進め、屯所へと帰っていく。


「まさかもう出来てんの?」

「落ち込むな銀ちゃんにもいつかは春が来るネ」


道の真ん中に、
少女がマダオを慰めるという光景がひろがった。

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作者名:梦夜深伽 | 作成日時:2018年3月2日 23時

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