恋空～切ナイ恋物語～ (ページ14)

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キーンコーンカーンコーン

運のいいことに授業の始まりを告げるチャイムが鳴ったから俺は握手した手を離し、放心状態の龍太郎と伊野ちゃんと楽しそうに話す知念を強引に引っ張り、そそくさと教室に向かった。

大ちゃん、想像してた人と全然違ったな…
心がついていけない。
とりあえず席につき、頭を抱え込んでいると、隣に座っていた知念が先生を気にしながら俺の耳元でつぶやいた。

「さっき握手してた人って、もしかして大ちゃん！？超イケメンじゃん！涼介ラッキーだよ。ま、僕は伊野ちゃん狙いだから興味ないけど。」

え？イケメンだったけ。
じっくり顔見る余裕なんてなかった…。
そのまま返事をせずに顔を伏せていると、知念は続けた。

「お互い本気で頑張ろ！高校生活でイケメンgetしなきゃじゃん♪」

「ってか今日会ったばっかだよ！？」

「これからどうなるかわかんないじゃん？」

知念の言葉を聞こえないフリして、俺は想いを巡らせていた。
大ちゃんとは確かに気が合うけど、今はまだ好きとかそんな気持ちはない。

この時は、大ちゃんに恋するなんて…
全然思ってもいなかったんだ。