15：受肉 ページ16
「お"お"お"お"お"お"お"お"」
「悠仁、危ない！」
Aは、慌てて『呪弾』を生み出そうと呪力に意識を集中させたが──それは、思いもよらない展開によって中断させられた。
ブン、と虎杖が右腕を振るう。
そこから発生した衝撃波のようなものは、直撃した呪霊の顔面を抉り潰した。
途端に場を包む、静寂の霧。
敢えて何か言葉を発しようとも思わない。
──今この状況が理解できない。
虎杖が、一撃で呪霊を祓った……いや、特級呪物だとしても、一般人が急激にそれだけの呪力を得て使いこなせるようになるとは思えない。
どういうことだ……そして、
(もし……かして、特級呪物が──受肉した！？)
「ゆう……じ……？」
「ケヒッ……ヒヒッ……」
虎杖……の姿をした宿儺は、ゲラゲラゲラと相当愉快そうに笑いだした。
顔や腕には、明らかに虎杖には無かった紋様が浮き出ている。
「ああ、やはり！！ 光は生で感じるに限るな！！」
身に纏っていた服をビリビリと引き裂きながら、宿儺は頭上に昇る月を見上げた。
顕となった上半身にも、奇妙な紋様が刻まれている。
「呪霊の肉などつまらん！ 人は！ 女はどこだ！！」
「……げっ」
当然ながら、宿儺の探している「女」に該当しているAは思わず顔を歪めさせた。
しかし、その些細な反応すら感じ取ったのか、宿儺は一瞬にしてAに気付いた。
「！ ……そこの女、呪術師か。しかも相当な呪力量……殺し甲斐があるというものだ」
──殺し甲斐なんてあってたまるか！！
そんな台詞が、呑気にもAの頭の中をよぎる。
宿儺に目をつけられた──とても、気楽に構えていていい状況では無いというのに。
そんなAを、伏黒が自分の後方に押しやった。
「──逃げろ、A」
「えっ……でも！」
「いいから早く！！」
急かすような、切羽詰まった様子の伏黒の台詞に、Aは下唇を噛んで一瞬俯いた。
そしてすぐに顔を上げる。
「……無理……恵を置いて逃げるなんて出来ない」
「何言って──」
伏黒がそう言い終わるか終わらないか、Aは即座に感じ取った“危険信号”に逆らうことなく、瞬きする間に二つの『呪弾』を生み出して、バッと後ろを振り返った。
伏黒も僅かに遅れてAの視線を辿る。
そこにあったのは、いつの間にかA──そして伏黒の後ろを取っていた宿儺が、自らの首をガシッと掴んでいる……という、異質極まりない光景だった。
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YUKIKA(プロフ) - 続き待ってます (2022年12月9日 2時) (
レス) @page23 id: 342256db66 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年3月12日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 夢花さん» ありがとー！！！ 全然大丈夫よ！姫はHEROになれるかの方も更新頑張るね！(*^▽^*) (2021年9月10日 21時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - ヒメちゃん新作おめでとう!!!言うの遅くなってごめんよ_(._.)_ (2021年9月10日 21時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - まくすうぇるさん» 話の流れは原作通りにするつもりなのですが、救済についてはまだちょっと考えています。やるかもしれません。地獄が軽減される(？)かもしれません。悩ましいです……！ (2021年9月1日 17時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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