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全員が揃って私達を取り囲んだ。
「ここは元は私の部屋。」
「え！？」
「生活空間にもなっていたけど資料の保管庫としても使っていたから出して？その後はヒストリアが使って良いよ。」
「え？良いのですか？」
「そりゃあ！女王様が兵舎じゃ威厳も何も無いでしょうよ。私の物も置いていくから好きに使って？」
「ありがとうございます！」
「じゃあ…みなさんどうぞ？」
全員を引き連れて中に入ると全員が入口で足が止まった。
「ここは応接室に使っていた部屋。」
「広い…。」
「ここでいつもエルヴィンをいじめていたの。」
「え！？」
全員が驚いているがエルヴィンだけ楽しそうに笑っている。
「そうだ。いつもここでAと水面下の戦いをしていた。」
「ふふ。楽しかったよあの頃は。…人には言えない事を…ふふふふ。」
「え！？」
「おい。A。その言い方では誤解が広がる。」
全員が予想通りの反応で笑った。
でも本当の事。
人類を削る話とかもしたね。
「ごめん。嘘。…あぁ。あとそっちは生活場所。掃除はしてもらっていたけど…ヒストリア。一回見に行っておいで。」
「はい！」
「私も見たいです！…肉はありますかね！？」
「無いよ。」
ヒストリアとサシャが楽しそうに奥へ走って行った。
「で…あとみんなは…。」
テーブルに置いてあった煙草の箱を掴みゴミ箱へ投げ捨てようとしたらエルヴィンに腕を掴まれた。
「…良いのか？」
「もう必要ないから。」
「そうか。」
そう言ってゆっくりと手を離した。
本当に私の事を良く知っているよ…。
「さて…それでそっちが保管庫。運び出すのを手伝って。」
「はい。」と言ってゾロゾロと部屋に入った。
広い部屋の中は天井にまで本棚が並び窓の光すら遮っている。
「こんなに…。」
アルミンが楽しそうに奥へ入って行った。
君は本が好きだったのか。
「ハンジ。」
「うん？」
「これが昨日言った武器に関する研究資料ね。実物は実験室にある。研究者と技術班を使えば対鎧武器になると思うけど私の専門外だから詳しい事は研究者に聞いて？」
「ありがとう！モブリット行くよ！」
「ハンジ分隊長！待ってください！」
モブリットと二人で顔より上まで本を積み重ねて部屋を飛び出して行った。
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作者名：じゅく子 | 作成日時：2019年11月21日 20時
