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パシュ…
ヒュウ…
雷槍の爆破の煙と上から見えていた時の頭の地図を頼りに鎧に向かって真っすぐ突っ込んでいた。
ヒュン…
十字路の角の家にアンカーを刺し遠心力で曲がった先に鎧の姿を確認した。
私の目線の先では鎧が仰向けになろうと体を半分起こしている。
「お前には死んでもらわないといけないんだよ…。」
雷槍は数に上限があるのに加えて味方に当たれば危険な武器。
調査兵団でも実力がある人のみに装備を許可した。
私は戦闘能力が高くないから雷槍の装備は辞退。
だから…ブレードしか無い。
だったら刺し違えてでもやる。
ヒュン…
鎧に向かってスピードを上げるが仰向けになる前に間に合うか分からない。
上空を見るとハンジ達が遠くだがこちらに飛んできているのは見えた。
「間に合え…っ！」
ブスッ…
うなじのまだ再生の終わっていない所に見当をつけ突っ込んだ勢いのまま刺した。
「どうだよ…ささっと死なねぇか！」
刺さったのと同時に鎧が仰向けになりうなじと地面の間に挟まった。
「飛び上がったぞ…まさか！？」
ハンジの声が聞こえて背中に嫌な汗が流れた。
(ベルトルト…！？)
リヴァイ班は時間稼ぎできなかったのか…。
ドォォオオオォ
その直後、周囲は一気に明るくなり物凄い爆風と熱に襲われた。
「ちょっと鎧…盾にさせて！」
うなじに刺したブレードを再度握りしめ吹き飛ばされないように必死にしがみついた。
ヒュウウウゥゥゥウ
大爆発が終わり強い風だけが私達の周りを覆っていた。
ブレードを刺しても鎧が再生を続けているとは…急所を外したか。
でもまさか…敵の硬さで命拾いをするとは。
「あっつ…。」
いくら爆発の直撃を逃れることが出来たにしても近距離で食らったせいで全身が熱い。
これは…全身やけどもあるな…。
まずここから離れよう。
ケガの度合いと残った人数を確認しないと。
このままでは再生の終わった鎧に握りつぶされる。
パキン…
ブレードを刺したままにして外しうなじの下から何とか這いずり出た。
と同時にまた熱風が私を襲う。
見上げると近い距離に超大型が居た。
(ハンジ班は爆破を直撃したけどリヴァイ班なら…まだ残っているかもしれない。)
火のついた家をばらまき始めた超大型の視界に入らないよう立体機動で飛び出した。
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作者名：じゅく子 | 作成日時：2019年11月21日 20時
