嘘 -3- 【エルヴィン・スミス】 (ページ32)

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シガンシナ区近郊

ドドドドドドド

朝日と共に調査兵団が一斉に馬に乗って走り出した。

「これより作戦を開始する！！総員立体機動に移れ！！」

ヒュン…

ヒュン…

後ろから次々と兵士達が飛び出して行く。

(エルヴィン…。)

馬で駆けながら隣を見ると彼もこちらを見ていた。

(生きて…帰ろう。)

軽く頷くと頷き返してくれた。
目の前にはウォール・マリアの壁。

フードを再度深く被り直し飛び上がった。

トン…

外扉上に到着し周りを見渡すと先に着いた兵士達が周囲を警戒していた。

「ハンジ。状況は？」
「おかしい…全く巨人が居ない。それどころかここに来て一匹も見当たらない！」
「良い。まず先に先手を我々が打とう。＿＿予定通り作戦を決行する！！各員…警戒を。」

懐から信煙弾を取り出し上空へ打ち上げた。
それを合図にフードを被った兵士の中から一人飛び上がった。

ドォオオオオン

壁上から見下ろすとエレンの硬質化により壁の穴が塞がった。

「数名壁下へ！穴の確認を！エレン出て来い！」

巨人の中から出てきたエレンをミカサが瞬時に抱きかかえ壁上に戻った。

「ハンジ。周囲を頼む。」
「了解だよ。…敵をくまなく見張れ！穴は＿＿」

穴と敵はハンジに任せ壁上に戻ったエレンに駆け寄った。

「立体機動装置は？」
「無事です。ですがマントが持ってかれてしまいました。」

エレンの言葉にミカサが反応してすぐエレンの肩にマントを被せた。

「ミカサ。すまないね。」
「いえ。エレンの為です。」
「ありがとう。エレン調子は？」
「問題ありません。次もいけます。」
「分かった。狙われないよう顔を隠して。＿＿ハンジ！リヴァイ！」

立ち上がって二人を呼ぶとすぐに来てくれた。

「大丈夫。作戦続行。」
「分かった。敵もまだ現れていない。穴もしっかり塞がった。」
「次行くぞ。あまりのんびりしてられねぇ。」
「ええ。」

リヴァイの言葉に立ち上がりハンジに軽く頷いた。

「よし。…総員！内門へ向かう！エレンが狙われないようにしっかりと守れ！」
「了解！」

外門・内門を塞ぐ。そして敵に勝利する。
３つの勝利条件の内一つは終わった。

あと2つ…。

エルヴィンのいる内門の上を見つめて飛び上がった。