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「その時の状況によるんじゃない？誰か重傷者が居たらその人だし全滅だったらリヴァイに使ってもらう。最後にエレン以外で私達しか残っていなかったら…あなたが使って。」
「私が？」
「その腕では不便でしょ？私は別に要らない。その後もまだ戦いが続くのにいつまでも手負いじゃ勝てる戦いでも不利になる。」
「…分かった。」
午後一番で始めた作戦会議は気が付くと外はもう真っ暗。
あれ…また懐かしい光景。
「次は新兵器についてだ…が一回休むか。」
「うん。疲れた。」
「随分生き生きしていたけどな。」
「そりゃぁもちろん！」
ペンと紙を置いてソファーに寝っ転がった。
あぁ…腰がバキバキ鳴る…。
「A。」
「うん？」
背伸びをしていると隣に椅子を持ってきたエルヴィンが座った。
「どうしてウォール・マリア奪還を目指している？随分前から。」
「今さらそんな質問？…昔は人類が生きていくためには２つの壁だけでは明らかに足りないから、内戦を起こさせない為にも必要だった。それに広い土地があることで経済も良くなると考えていたし。今は…」
そっと目を伏せて自分の手のひらを見つめた。
「贖罪。」
「贖罪？」
「人々を壁に閉じ込めた罪の償い。」
「…。」
「そう言っているエルヴィンは？そういえばどうして調査兵団に居るの？」
「私か？私は………死んだ兵士達の為だ。」
急に思いつめた表情のエルヴィン。
今まで兵士が死んでそんな顔をした？
嘘か…もしくは誰か失いたくない人を失ったのか。
ここで嘘をつく理由がある？
無いよね。
すると後者。
男？それとも…女？
少しだけ心がチクりと痛んだ。
「そっか…。」
部屋に静寂が訪れた。
「まぁでも…。」
むくっと起き上がってエルヴィンと向かい合った。
「各々目的は自由で構わない。「ウォール・マリア奪還」それさえ成功すれば各々の目的は達成されるのでしょ？」
「あぁ。」
「私はこの一戦に全てを賭けている。もう二度目は無い。死ぬか生きるか。勝つか負けるか。」
「…。」
「ちょっと喋りすぎたね。続きをしようか。」
「そうだね。」
また2人で地図を囲んだ。
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作者名：じゅく子 | 作成日時：2019年11月21日 20時
