Starlight II (ページ3)

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・（汐恩side）ページ3

後ろ姿を見て、Aなのはすぐにわかった。

久しぶり、そう声をかけようとしたけど、隣にいる男の存在に気づいた。

見覚えなのある後ろ姿、スタイルが良くて背も高いから見間違いはせん、景瑚や。

「…景瑚と……A？」

やめとけば良かったのに、俺は声をかけてしまった。

Aの少し驚いたような顔、景瑚の少し緊張したような顔。

少し、ほんの少し嫌な予感がしていた。

手元に気づかなかった俺の口は、心のどこかでやめろと言ってるのに止まらなかった。

「2人で何しとん……って」

冷やかすつもりやった、少しだけ揶揄ってやろうと思ってたのに、まさか自分がやられるなんて思っとらんかった。

手元に視線が行く自分を見て、景瑚はAの手を強く握っていた。

…なんで、なんでAはそんな顔するんや。

景瑚が、聞き取れるかどうか、というくらいの小さな声で、

「、俺ら付き合ってるんだ、」

と言った瞬間、何かが打ち砕かれるような感覚だった。
咄嗟に切り替えた俺は、

「、なんやねん水臭いな！俺にも言ってくれや〜」

そう笑って誤魔化した。

A…そんな泣きそうな顔すんなや、…
泣きたいんわ、俺や

Aが

『そういえば、今日、美鈴ちゃんは…？』

そう尋ねてきた。

Aまでまだ噂は回ってないんだと少し安心して、

「あー、、今日はおらんねん、」

と適当なことを言った。

嘘ついてばっかやな、俺、

景瑚は、きっとここらにはおりたくなかったんやと思う。

「俺らこれから用事あるから、」

俺でも分かるくらいの嘘をついて、その場で別れた。