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「…オッパ、とりあえず部屋に入ろう。」
今にも泣いてしまいそうなほど悲しそうな顔をしているグクオッパの手を掴んで、自分の部屋に入る。
そのまま静かに扉を閉めると、今度はグクオッパに手を掴まれて抱きしめられた。
「…っ、」
JK「…ごめん、本当にごめん。」
何度も謝るグクオッパに、私はそのたびに首を横に振る。
「…っ、私もごめんね、オッパ。」
JK「Aは、何も悪くないよ…」
ずっとずっと、この温もりを待っていた。
久しぶりに感じるグクオッパの体温と、爽やかな香水の香り。それにひどく安心して、涙がツーっと溢れた。
JK「…テヒョンアから聞いた、」
「っ、え…？」
体を離すと、私の涙を優しく拭いながら、テヒョンくんから聞いたことを全て話してくれるグクオッパ。
秘密にしていたグクオッパへのプレゼントの話もバレてしまったけれど、こればっかりは仕方ないし、なんなら最初からきちんと話しておくべきだった。
JK「…あと、Aが見たって言ってた女の人。」
「っ、あ…」
その人の話もされると思っていなくて、思わず体が固まる。
そしたらグクオッパは、私の頬を撫でて優しく笑った。
JK「あの人とは、従兄弟なんだ。」
「…え、」
JK「昔から知ってるし親戚だから、女が苦手な俺もヌナとは喋れるんだ。」
「い、とこ…？」
JK「ごめん、俺の態度のせいで不安だったよな…」
あまりにも衝撃的な事実に自分は今まで勘違いしていたと気づいて、ものすごく恥ずかしくなる。
グクオッパのことは信じていたけれど、もしかしたらあの女の人はオッパにとって特別な人なのかもって、考えたりもしたから。
JK「ヌナが俺と従兄弟なことを大学でバレたくないって言うから、大学ではただの先輩後輩として接してたんだ。」
だから、ふたりになった時にため口にしてってあの人はグクオッパに対して言ったんだ。
すべてのことに納得がいって、今までたくさんの勘違いばかりで後悔する。
「…私たち、お互いに勘違いばっかりだったんだね。」
JK「最初からちゃんと話せばよかったのに、本当にごめん。」
「それは、私も同じだよ…ごめんなさい。」
お互いに謝って顔を上げると視線が重なり合って、どちらからともなく一緒に微笑み合った。
ずっと、グクオッパのその笑顔が見たかった。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年6月3日 2時
