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JK「……は?」
「っ、オッパ…」
私のとった行動に、グクオッパは上げていた拳をバサッと落とした。
JK「…Aが庇うのは、ソイツなんだな。」
「!グクオッパっ…!」
JK「…もういいわ。」
乾いた笑いを溢したグクオッパは、私の声に耳を傾けることなく個室の中へ入っていってしまった。
「…っ、ぁ…」
SN「……ヌナ。」
どうして?なんでこうなっちゃうの…?
また泣き始めてしまった私の手を優しく握ったソヌくんは、そのまま休憩室に連れてきてくれた。
SN「店長に、事情話してくるから。」
「…っ…ごめっ、」
SN「…泣きたいだけ、泣いていいから。」
ぽん、とソヌくんの手が私の頭に触れて、堪らえようとした涙が簡単に溢れてくる。
ひとりになった休憩室には、私の泣き声が響いていた。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、グクオッパのことを考えると胸が苦しくて仕方ない。
私、もう何から考えたらいいのか分からないよ…
あの綺麗な女の人は、グクオッパにとって特別な人…?
頭に浮かぶのは、グクオッパとあの女の人が一緒にいた光景ばかり。
さっきのオッパとソヌくんの言い合いで、オッパが私を大切に思ってくれてるんだなって思ったけど…
なんでかな。
いつもみたいに嬉しい気持ちでいっぱいには、ならないの。
グクオッパの言葉を、素直に受け止められないの。
「…っ、最低だっ……」
こんなの、彼女失格だね。
高校3年生にもなって、こうやって大泣きして周りにも迷惑かけて。いつまで経っても、私は子供のままだ。
そりゃ、あんな大人っぽくて綺麗な女の人の方がいいに決まってる。
私とあの女の人どっちにする?なんて選択肢を与えたら、きっと誰もがあの人を選ぶ。
SN「…ヌナ、」
「ソヌ、くんっ…」
いつの間にか戻ってきたソヌくんが、大泣きする私の背中を擦ってくれる。
ヌナだなんて、いつもなら呼ばないのに。
きっと、私のことを気遣ってくれてる。ごめんね、泣いてばっかりだし、ソヌくんには1番迷惑かけてる。
SN「俺があんなこと言ったから…」
申し訳なさそうにそう口にしたソヌくんに、私は涙を拭いながら首を横に振った。
悪いのは何もかも全部、私だよ。
ソヌくんも、グクオッパも、あの女の人も何も悪くない。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2020年6月3日 2時