第二章 死者の乗る自転車 ページ31
はるこいゼミナールに到着し、ナツメは再びウォッチで少年の顔を照らす。
すると、また同じ跡が浮き出してきた。
ナツメ「あの子だ…！」
幸子「てか、普通に塾通いしてる子…ですよね？」
トウマ「どうして襲われたんだろう…」
ピピッ ピピッ
アキノリ「まただよ…」
今度は駄菓子屋に行き着き、そこで泣いていた男の子の顔を照らすと、また同じ跡が浮き出した。
男の子「怖いのにやられたぁ〜！」
ケースケ「お、俺とお揃いだよ〜…」
幸子「…」
ケースケは男の子を泣き止ませようとするが、余計に泣かれてしまう。そこに…
お婆さん「婆ちゃんが見てない間に、ここで誰かに
やられたみたいなの…いつもの自転車のベルの音がしたから、あの子が来たかと思ったんだけど……違ったみたいねぇ…」
お婆さんは男の子をあやしながら、そう言った。
ナツメ「あの子…？」
お婆さん「よく来てくれる子がいるのよ。マサキくん。さくら元町第一小学校の6年生でね、いつもそこのはるこいゼミナールって学習塾の帰りに寄ってくれるの」
トウマ「さくら元町第一小学校とはるこいゼミナールって…」
ナツメ「私達が寄った場所…！」
アキノリ「お婆さん、その子の家知ってますか？」
お婆さん「？」
アキノリ「コッチだ！」
トウマ「【死者の乗る自転車】は、マサキくんがよく行く場所に出てるってことか…！」
ナツメ「きっと何か関係があるんだよ！」
アキノリ「もしかして、マサキくんが呼び寄せているのかも…！」
A「【死者の乗る自転車】とマサキ君に何か関係が…？」
アキノリ達はそんな会話をしながら走っていた。その後ろを、【死者の乗る自転車】は追う。
ピンポーン
ピンポーン
ナツメ「出てこないね…」
トウマ「いないのかな…」
A「困ったな…」
「ちょっとあんた達、ここには誰もいないわよ」
アキノリ「え？」
ナツメ「あの、マサキくんってご存知ですか？」
「ああ、その子なら交通事故に遭ったみたいで…」
6人「え…」
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作者名：エム | 作成日時：2024年1月6日 20時
