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第一章 亡霊番長 ページ19

ケースケ「どこか懐かしい気がするって思ったんだ。そのミサンガ…ケンちゃんなんでしょ?昔、俺を助けてくれた…ケンちゃんなんでしょ」

ザサッ


A「(また…だ)」


ザサッ


男子達『うわあぁぁ!!』

ケースケ『いてて…』

ケンジ『何だよ、お前は弱虫だな〜?』

ケンジは腕をぐるぐると回した後、ケースケにそう声をかける。

ケースケ『助けてくれて、ありがとう…』

ケンジ『おう!』

A「(この子が…ケースケ君の友達の…ケンちゃん?)」

その後、ケースケとケンジはブランコに乗っていた。

ケースケ『あいつら、俺ばっかりいじめてくるんだ…』

ケンジ『なら…あいつらがまたお前をいじめに来たら、俺がやっつけてやってもいいぜ?』

ケースケ『本当!?』

ケンジ『おう、その代わり条件がある』

ケースケ『条件?』

ケンジ『降参って言わないことだ』

ケースケ『え…?』

ケースケが戸惑っていると、ケンジは漕いでいたブランコから飛び降りた。

ケンジ『人間ってさ、俺みたいなでかい身体のヤツもいれば、お前みてぇにちっちぇーのもいる。腕っぷしが強いとか身体がでかいってのは、どんだけ飯を食ったかの問題だ』

ケンジ『だけどな…本当に強いヤツってのは、ここが強い人間のことなんだ』

ケンジはそう言うと、胸に拳を当てた。

ケンジ『自分が悪くないって思っているんだったら、最後まで立ち向かうんだ。お前が本当に強いヤツなら、俺はお前に力を貸すぜ!』

ケースケ『!』

ケンジ『いいか?男は勇気だ!』

ケンジは胸に当てていた拳をケースケに向ける。

ケースケ『ケンジくん…!』

ケースケ『!』

ケンジ『ケンジでいいよ』

ケースケ『うん!男は勇気…だね!』

ケースケはそう言い、自分の小さな拳を当てた。

A「(ケースケ君…ケンジ君…)」

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作者名:エム | 作成日時:2024年1月6日 20時

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