セレクト生死�� ページ41
ギュギュギュギュッ！！
『……あ』
ガラスの向こうで、与一の顔が大きく歪んだ。
『う……うあぁああ！？』
つんざくような呻き声が響く。
「う……」
『あぁぁ、う、うあぁあ――！！』
首を押さえて足をめちゃくちゃに振り回し、苦悶の文字を浮かべた唇から血が溢れ出す。
『あぐ……あ……う』
……ぱたり、と。
糸が切れた人形のように倒れ込んで、与一は動かなくなった。
「……」
与一の付けていた首輪を見て、俺は何が起きたのか、ようやく理解した。
首の後ろに突き刺さった、ドリルのようなもの。人間に穴を開けて血を溢れさせ、骨や神経まで傷つける。これじゃあ、イルカの言っていた通り、まるで中世の拷問だ――。
「……うぅ……」
俺は床にうずくまり、口元を押さえた。吐いてしまいたい、と思った。俺の中の罪悪感も嫌な記憶も、すべて吐き出してしまいたい。そうして、何もかも忘れて現実世界に帰りたい。
「……くじら……」
マイマイさんの声は震えていた。それでも泣いていない。こんな小さな女の子が、誰かの酷い死に様を見て、それでも泣こうとはしない。
泣いてはいけない事を知っているのだ。泣いたら余計に辛くなると。なのに俺は……。
「……くじら、泣いちゃ駄目、だよ……」
マイマイさんも泣きそうだった。視界にちらつき始めた涙を拭い、マイマイさんは俺を見た。
その時、俺は何となく気がついた。マイマイさんは、望んでゲームに参加したのではない事に。
「泣いても……泣いても、帰れないんだもん……マイも辛くなっちゃう、から、ね？」
「……うん」
泣いてる場合じゃない。吐いていられる状況じゃない。だって、まだ二回戦が終わった所だから。本当に怖いのは、数々のゲームを勝ち抜いて来た者達による最後のゲームなのだ。
「……濱」
与一の遺体を見ながら呆然としている濱に、俺は声をかけた。
眼鏡の奥の瞳は虚ろで、何も写していない――否、与一の姿しか写っていなかった。
「……何で……」
やっとの想いか、濱はそれだけを口にして、また黙り込む。
そんな濱に、ロンが空気を全く読まない明るい声で「あのねェ！」と呆れた。
「ボクはルームマスターなんだヨ。オマケに人狼プロジェクトの裏切りモノの一人だ。人狼のキミ達に、有利な作戦を提案するワケないだろう？」
確かに、人質全員を処刑するのはロンの提案だった。だが、それは人質の誰が人狼なのか分からなかったからで――。
「……貴方は……僕を騙したのか？」
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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