セレクト生死�� ページ42
濱は、人狼になった与一を助けたい想いで、ロン――ルームマスターの作戦に乗ったの
濱の眼鏡の奥にある瞳が、零れそうなほど大きく見開かれている。
絶望。俺の初めて見る、人間が心の底から絶望した表情だった。
「騙しテなんかナイよ！」
濱の様子を気にも止めず、あっけらかんとロンは笑う。
「ボクは作戦の一ツとして提案したダケ。その裏を読むコトが出来なかったキミが悪いンだろう？ ボク達の意見なンて簡単に信じちゃダメだよ。皆ガ皆、敵なんだからサ」
“皆が皆、敵なんだから”
俺の脳内で、
「……それでも僕は……与一を守りたかったんですよ……」
“それでも……俺は貴方を守りたかった”
また誰かの声が、脳裏に響く。以前も聞いた事があった。“お前のせいだろ”と。
これは濱の台詞じゃない。俺の――いつか、どこかで俺の聞いた台詞だ。
「僕はあいつを守りたかったんだよ！！」
濱が何かが壊れたように叫んで、ロンに掴みかかった。
「僕は守りたかった。死んで欲しくなんてなかった！！ 人狼とか村人とか、そんなのは関係ない、ただ生きてて欲しかった！ それを守ろうとする事の何が悪いんだよ！？ 僕は……ただ僕は！！」
ここへ来てから、ずっと冷静だった濱が。あそこまで顔をぐちゃぐちゃにして泣いているのを、俺は初めて見たのだ。
「そんなノは、ボクらの知ったコトじゃないさ」
胸倉を掴み上げられても尚、ロンは、へらへらと笑っていた。
「ボクら“四天王”が、ドウして人狼プロジェクトを裏切ッて、こんな非合法ナ人狼ゲームを行っているト思うの？」
「……知りませんよ、僕はそんな事……賞金が欲しくて参加しただけなんですから……」
俺は反射的に、隣で沈黙していたマイマイさんを見た。
このゲームで勝てば何が起きるのか俺は知らなかったが、濱の発言からして賞金が貰えるらしい。だからと言って、こんな命懸けのゲームに参加する奴の気が知れないが。
マイマイさんもなのか……と、訊ねようとしたが、彼女に目をやって、俺は口を閉ざした。マイマイさんは濱よりも怯えていた。
「……駄目……駄目……！」
灰色をした床に、そう呟いた彼女の涙がぱたりと落ちた。
「ルームマスターに、抵抗したら……処刑……処刑されちゃうよ……！！」
マイマイさんが言い終えるが早いか――天井から伸びた無数の糸が、濱の身体を絡め取った。
続く
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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