伝言コール�� ページ16
まことさんとの待ち合わせ場所には、俺が行く事になった。
「何で俺なんだよ……オオガミじゃないのか？」「だってくじらくん、主人公でしょ？」
イルカはあっさりとよく分からない事を返した。
「は？」
「……面白いよね。アンナちゃんや海月は、ゲノム事件の被害者になる所だったんだ。それを止めたのが君なら、相手が接触したがるのも頷ける」「……まことさんを知ってるのか？」
いや、とイルカは首を振る。
「でも、心当たりがあるんだ。くじらくんを勧誘するであろう組織、人狼プロジェクトだよ」「……それって」
ケイが言っていた、人狼ゲームを管理する組織。まことさんもその一員で、俺を勧誘しようとしている？
「何で……？」
「……気づいてないんだね。無理もないよ」
哀れっぽく笑ったイルカの言いたい事が、俺にはさっぱり分からない。
「気づいてないって……」
「僕はアンナちゃんを見ておかないとね。起きたら色々と訊いておくから、安心して行って来て」
もやもやしつつ俺は待ち合わせ場所に向かった。
＊
駅の裏路地にある、地下へと続く階段。
その先に、バー“Wolf”はあった。
「嫌な名前だな……」
路地裏の突き当たりにあるせいか薄暗く、10月の肌寒さが余計に増したような気がした。
「……すいませーん……」
酒に強いわけではないうえに、そもそも金の足りない俺は、普段こんな洒落た所に入る事はない。
「いらっしゃい」
俺を見て、カウンターの中で微笑んだのは……。
「……まことさん」
「やはりくじら様ですか。いえ、辻倉 灰人様」
「こちらに座って下さい」と、彼が続けて言った一言に、俺は驚きを隠せなかった。
「相手の方はもうすぐいらっしゃいます」
「……え、まことさんじゃないんですか？」
てっきりまことさんと話すのだと思っていたが、どうやら待ち合わせの相手は別にいるらしい。
「こんにちは。くじらさん」
後ろから聞こえた声に、俺は椅子に座ったまま、バッと上半身を振り返らせた。
「サクライさん……！？」
「お隣、失礼します」
サクライさんであり、サクラさんでもある彼女は俺の横へ座ると、慣れた仕草でまことさんに告げた。
「バイオレットフィズを二つ下さい」
「えっ……あの、俺、お酒はそんなに……」
「ここのお酒、美味しいんですよ。最も、ゲノム事件が起きている昨今、“狼”なんて名前のバーに常連さんは出来ませんけど」
彼女の言う通り、昼間だというのに、店内には俺達しかいなかった。
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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