伝言コール�� ページ17
「……バイオレットフィズの酒言葉、ご存知ですか？」
その名の通り薄紫色のグラスを傾けながら、彼女は言った。
「えっ……知らないけど」
「……知らなくて良いと思います。今日はそんな話をしに来たんじゃないですしね」
彼女はグラスを置き、身体を俺に向ける。
「今日貴方をお呼びしたのは、お願いがあるからなんです」
「……怪しい宗教団体とかの勧誘なら、お断りしますよ」
半分冗談、半分は本気で俺が返すと、彼女はクスクスと笑った。
「それは、今はしません」
「今はって、いつかはするのかよ……！？」
「いえいえ。それよりもっと大事な事です」
彼女が言った“お願い”は、俺にとってかなり衝撃的なものだった。
「くじらさんにはもう一度、人狼ゲームを受けて頂きたいんです」
彼女の言った事が信じられず、酒を吹き出しかけた俺を、まことさんが笑いを堪えて見ている。
「……いつ？」
「今すぐ、です。今ここで。貴方の他に参加者は四人います」
「……ちょ、ちょっと待て。ここで？ 今すぐに？」
はい、と彼女は頷く。
ちょっと待ってくれ、と俺は思った。二回も経験しているとはいえ、あんな精神的疲労のあるゲームを、さすがに一日に二回も受けたくないのだ。心の準備が必要だし、何よりもう二度と体験したくない。
「……俺はあのゲームが好きじゃないんだ。悪いが、他を当たってくれ」
「……そうですか。仕方ありませんね」
意外にもあっさり引いてくれたな……と、視線を伏せた彼女を見て安堵しかけていた俺は、その場で硬直した。
「え、あの……！？」
俺のすぐ近くまで顔を近づけて、彼女はクスリと笑った。
「……バイオレットフィズの酒言葉。彼女さんと別れる時に使ってみたらどうですか？」
“私を覚えていて”――
「……っ」
視界が突然ぐにゃりと歪んだ。この感覚はこれで三度目だ。最悪なゲームの始まりを告げる、嫌な感覚。
「……さ、サクライさん……」
「……私は、サクラですよ。くじらさん」
椅子から床に崩れ落ちた俺からは、サクラさんの綺麗な顔立ちが見えた。
(お酒を飲んでたけど……彼女、こうして見ると未成年なんじゃないのか……)
ぼんやりとした思考で、俺はふとそんなどうでも良い事を思った。
「参加者は全員で五人います。皆、貴方と同じ、優秀なゲーム経験者です。役職は人狼と村人のみで行います」
アナウンスのような口調で言って、サクラさんは微笑んだ。
「それでは、リアル人狼ゲームの再開です」
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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