五つ目 ページ8
貴「……うん、ありがとう。でも荷物になりそうな時は遠慮なく捨てて良いからね?」
間違いなく、本心からの言葉だった。
それでも竈門さんは大げさに首を振ってくれた。
炭「そんなことする訳にはいかない!もう、俺たちとAは仲間なんだから。」
善「そうだよ、Aちゃん!俺は弱いけど、君を守るよ!」
伊「俺の子分だからな!頼っていいぞ!!」
久しぶりに泣きそうになった。
こんなに優しい言葉をかけてもらえるのはいつぶりだろうか。
夕日がさして、後ろの鳥居は真っ赤に輝く。
後に続いている鳥居も綺麗だった。
私は泣くのを見られたくがない為に、いつのまにかこんな話をしていた。
貴「………ねぇ、知ってる?鳥居の__いや、真っ赤な、神様の門の話。」
貴「この先は、神様の領域。近づいてみると、こんなに細い柱一本で分けられている。この世界は」
貴「朱色に輝く門の先はもう、別の世界。」
____いつの日か……私の体験。
長い長い鳥居の中で、女の子が歌ってる。
『__この世に置くのは、情けのみ。あの世へ持つのは、記憶のみ。忘れてしまい、残るのは、終への絶望、いらっしゃい__』
あれは………私だよね?
炭「さあ!行こう!」
そして、差し出された手を握り、私は『初めて』鳥居のそばを離れた。
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作者名:ジゼル | 作成日時:2019年8月31日 8時