三つ目 ページ5
参拝の基本は『二拝二拍手一拝』
その手の音で神様に伝わるそうだ、人々の願い事が。
その作法を終えて、俺はあの子に聞いた。
此処に来た時から、ずっと気になっていた鳥居のことを。
炭「この鳥居って何処までつながっているんですか?」
善「あ、それ俺も気になってた。」
この質問に、その子は自分の後ろにある鳥居をまぶしそうに見上げて言った。
貴「分かりません……私も行ったことがないので」
炭「そうですか…。」
でも、とその子は付け加える。
貴「この向こうは神様の世界だそうです。この鳥居は、この世とあの世をつなぐ大切なものなんですよ。」
滅多に聞かないいい話に聞き入っていると、
伊「じゃあ、ここをくぐれば、『カミサマ』ってやつになれるのか?」
珍しく伊之助が興味を示していた。
貴「う〜ん、どうでしょう?少なくとも、私はこの鳥居をくぐった人を見たことがありません。」
伊「ふ〜ん」
それっきり伊之助は黙った。
何だったんだ……。
炭「ところで君は一人で、ここに住んでいるんですか?」
貴「……妙な敬語はやめましょう?同じくらいだろうし。」
炭「あ、わ「分かった!俺、我妻 善逸だよ!」善逸…。」
その間にも、その子は少し笑っていた。
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作者名:ジゼル | 作成日時:2019年8月31日 8時