6. ページ6
男二人に挟まれて逃げ場がない。
パニックになった私は、思わずこう言ってしまった。
「きょ、今日は何も聞いてませんっ!」
赤「…今日は?」
「はっ…」
自ら墓穴を掘りました。
重岡くんの掴む力が微かに強くなった。ちょっと痛い。
緑「この間のやつは聞いたってことか」
「ぇ、っと…その……」
緑「せやから今日、教室で目ェ合ったとき訝しげな顔したんやな」
そんな表情をしたつもりはなかった。
無意識に神山くんが言うてる顔をしてたんやろう。
緑「変に思ったんよな。ほとんどの女子は俺が笑いかけたら顔赤らめたりするのに、Aはせぇへんかった」
赤「ああ、せやから俺に名前聞いてきたんか」
緑「おん」
まさか私のことを話してたなんて。
緑「…この事誰かに言うたら分かってるよな」
「ひッ……い、言いません言いません…!」
緑「ふふ、ええ子や」
赤「神ちゃん怖いわー」
とか笑いながら言うてる重岡くんも怖い。
緑「さてと、そろそろ帰るか。
じゃ、また明日な……Aさん」
神山くんはいつもの素敵な笑顔で私にそう言い、重岡くんと共に帰って行った。
さっき呼び捨てやったのに。
…明日にならんといてほしい。
342人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Aqua. | 作成日時:2021年11月29日 20時