四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ13)

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手水舎に来た私たちは最後の一枚であろう紙切れを見つけた。

「これで紙切れ四枚目！」

桃「どう？」

「つなぎあわせてみるね」

目だけが書いてあった四枚の紙切れは変化した。

「見て、絵が変わったよ。不思議」

桃「ほんまどうなってるんや」

鳥居にはカラスが五羽とまっていた。

「カラスだ」

桃「五羽も、珍しいな」

「そういえば、カラスって不吉なことが起こる前触れって言わない？」

“カラスが鳴くと人が死ぬ” と、どこかで聞いたことがある。

カラスは不吉な死のシンボルであると習った。死肉を狙って空を飛ぶからだ。

「見た目真っ黒だし、大きいし」

桃「そうか？まぁカラスって大きいしちょっとビビるけどな。神社やとカラスは神聖な動物なんやで」

「そうなの？」

桃「八咫烏(やたがらす)って聞いたことあらへん？道案内の神使(しんし)として、神社では広く祀られてるんや。やからマイが無事に帰れるように見守ってくれてるかもしれへんやろ。何でもかんでも悪い方に受け取るんはやめや」

「うん」

そう言われると、カラスが怖い生き物だという感覚がなくなっていった。

それに、なんだかんだイミゴはこうして励ましてくれるし、やっぱり優しいんだ。

桃「それにカラスは頭がめっちゃええんや。考え無しなマイよりよっぽど切れ者や。爪の垢せんじて飲ませてもらったら」

この余計な一言がなければ。