#21 ページ21
“ 宏光のもの ”
その文字を指先で撫でる。
宏光のものはこんな近くにあるのに、宏光はいないんだな…
そう思うと、俺の心は悲鳴を上げた。
たくさん傷つけた。
俺から離れた。
それなのに、今俺は心から宏光を求めてる。
会いたい。
話したい。
今までのこと、全部謝ってまた昔のような2人でいたい。
宏光が笑う顔を見て、一緒に笑いたい。
宏光が泣いた時には、誰よりも近く隣で涙を拭ってあげたい。
そして、
雨が降る日はずっと一緒にいたい。
自分の勝手さが本当に嫌になる。
積んであったダンボールの一番上の箱のガムテープをゆっくり剥がしてみる。
小物入れ替わりのスニーカーの空き箱や小さな箱が入ってて、底の方から出てきた分厚い表紙の本のようなもの。
開くとそれはアルバムで。
表紙を捲ってすぐのところには0歳の俺達がいた。
写真におさまる俺達は同じ布団で眠ってて、掛布団から出た小さな手は繋がれていた。
ページを捲るごとに大きくなっていく俺達。
宏光の両親が亡くなった後も、俺の両親によって撮り続けられたであろう写真たち。
俺達はいつも一緒にいて、
笑ってる写真は2人とも笑ってて、
泣いてる写真は2人とも泣いてた。
アルバムは途中で終わってて、最後の写真は高校の入学式。
新品の制服を着て2人で校門の前で撮った写真だった。
これから先、2人で写真を撮ることはなかった。
写真の無いページを1ページずつ捲っていくと、薄緑色の封筒が挟まっていた。
“ 太輔へ ”
そう、宏光の字で書かれた俺宛の手紙。
ゆっくり、そっと封を開けた。
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zumi(プロフ) - さっPさん» さっPさん★ありがとうございます!!2人に感情移入して貰えるなんて光栄ですよー(o´艸`)また楽しんでもらえるような作品が書けるように頑張ります!! (2015年12月27日 21時) (
レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
zumi(プロフ) - かなさん» かなさん★最後までお付き合いいただきありがとうございます♪泣かせてしまってすみません。笑!!また遊びに来てくださいね、今後ともよろしくお願い致します(*´`) (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
zumi(プロフ) - mitsuさん» mitsuさん★いつも本当にありがとうございます(o´艸`)また次の作品も楽しんでもらえるものが書けるように頑張ります!! (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
さっP(プロフ) - こんにちは♪完結おめでとうございます！前半はひろに感情移入、後半は太輔に感情移入でした！ずっと変わらず太輔を想ってるひろが健気で、それでいて芯が強くて……(/_;)太輔はこの過ちをずっと忘れないで、いつまでもひろのことを離さないでほしいと願います！(*^^*) (2015年12月26日 12時) (レス) id: 9aef3c4f25 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結、おめでとうございます。何度も泣かせて頂きました！最後は幸せな気持ちになりました。ありがとうございました。に (2015年12月26日 2時) (レス) id: 284ce13457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：zumi
| 作成日時：2015年9月2日 20時
