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#17 ページ17

俺の部屋に宏光がいる。

この光景、いつぶりだろう。
高校に入ってから離れてしまった距離。

久しぶりなのに俺の部屋に宏光がいることがなんだかすごくしっくりくるんだ。

変わらないな〜、って笑う宏光の後ろ姿を見つめていた。

「藤 ヶ 谷はさ、クリスマスどうすんの?」

振り返った宏光が笑顔で聞いてきた。

「さぁ、まだ決めてないけど。クラスのやつと集まるんじゃねぇかな」

「そっかぁ」

「なに?」

「…決まってないならさ、俺が予約していい?」

「はっ?」

「だからさ、…俺といてよ」

予想もしない宏光の言葉に思考が停止する。
ただ嬉しかった。

それなのに、自分から離れた隙間が邪魔をして素直になれない。

「はっ…なんでだよ」

こぼれ落ちたその言葉は自分でも驚くほど、あまりにも冷たかった。


あ…やってしまった…

宏光の顔を見た時、そう思った。
大きな目に涙を浮かべて、唇を噛み締めていた。

上を向いて涙が溢れないように堪えると顔を横に振る。

俺が隣にいるのに泣くことを我慢させてしまった。

はぁーっと大きく息を吐くと、痛々しく笑った。

「そうだよな!高2にもなって男2人でってそりゃないわ!ごめん、変なこと言った」

じゃぁ、帰るわ。

そう言って部屋を出て行った。



ちょっと宏くんご飯食べないのー?って、母親の声が遠くで聞こえた。

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zumi(プロフ) - さっPさん» さっPさん★ありがとうございます!!2人に感情移入して貰えるなんて光栄ですよー(o´艸`)また楽しんでもらえるような作品が書けるように頑張ります!! (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
zumi(プロフ) - かなさん» かなさん★最後までお付き合いいただきありがとうございます♪泣かせてしまってすみません。笑!!また遊びに来てくださいね、今後ともよろしくお願い致します(*´`) (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
zumi(プロフ) - mitsuさん» mitsuさん★いつも本当にありがとうございます(o´艸`)また次の作品も楽しんでもらえるものが書けるように頑張ります!! (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
さっP(プロフ) - こんにちは♪完結おめでとうございます!前半はひろに感情移入、後半は太輔に感情移入でした!ずっと変わらず太輔を想ってるひろが健気で、それでいて芯が強くて……(/_;)太輔はこの過ちをずっと忘れないで、いつまでもひろのことを離さないでほしいと願います!(*^^*) (2015年12月26日 12時) (レス) id: 9aef3c4f25 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結、おめでとうございます。何度も泣かせて頂きました!最後は幸せな気持ちになりました。ありがとうございました。に (2015年12月26日 2時) (レス) id: 284ce13457 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:zumi | 作成日時:2015年9月2日 20時

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