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#13 ページ13

ずっと気になってた。
彼女と過ごすこの時間も。

元々小さい宏光のもっと小さくなったあの後ろ姿が頭から離れない。


宏光、独りで泣いたの…?


俺達が高校生になる前、宏光のお父さんとお母さんの命日。
お墓の前で目を閉じて手を合わせる宏光の頬を流れる雫。

その雫を優しく拭って、ゆっくり目を開ける宏光と目線を合わせると照れくさそうに笑うんだ。

そして、また泣いちゃったって泣きながら笑うんだ。
そんな宏光に俺は、泣いてもいいよって。

「俺の隣でならいくらでも泣いていいよ」

そう、言ったんだ。

それが、最後に見た宏光の涙。


俺が隣にいない今、宏光はどうしてるだろうか。

独りで泣いているかな。

それとも、まだ上を向いて顔を横に振って、泣くのを我慢してるかな。


「あ、雨だ」

カーテンの隙間から外を眺めて彼女が呟いた。

黒い雲からは絶え間なく雨が降り注ぐ。
次第に雨足は強くなり、雨粒が窓を叩く。


ひろも…きっと泣いてるね…


今頃泣いているだろう宏光を思う。

隣にいないことで涙を拭ってあげられないことがこんなにももどかしいなんて思ったことなかった。

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zumi(プロフ) - さっPさん» さっPさん★ありがとうございます!!2人に感情移入して貰えるなんて光栄ですよー(o´艸`)また楽しんでもらえるような作品が書けるように頑張ります!! (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
zumi(プロフ) - かなさん» かなさん★最後までお付き合いいただきありがとうございます♪泣かせてしまってすみません。笑!!また遊びに来てくださいね、今後ともよろしくお願い致します(*´`) (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
zumi(プロフ) - mitsuさん» mitsuさん★いつも本当にありがとうございます(o´艸`)また次の作品も楽しんでもらえるものが書けるように頑張ります!! (2015年12月27日 21時) (レス) id: 430f785ac8 (このIDを非表示/違反報告)
さっP(プロフ) - こんにちは♪完結おめでとうございます!前半はひろに感情移入、後半は太輔に感情移入でした!ずっと変わらず太輔を想ってるひろが健気で、それでいて芯が強くて……(/_;)太輔はこの過ちをずっと忘れないで、いつまでもひろのことを離さないでほしいと願います!(*^^*) (2015年12月26日 12時) (レス) id: 9aef3c4f25 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結、おめでとうございます。何度も泣かせて頂きました!最後は幸せな気持ちになりました。ありがとうございました。に (2015年12月26日 2時) (レス) id: 284ce13457 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:zumi | 作成日時:2015年9月2日 20時

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