お客様は神様じゃない ページ5
〆．リクエスト
人生山あり谷あり。
いいことがあった分だけ悪いことが起こる。
その逆もある。
今は、いいことを迎えるために、悪いことが起こっているという状況……なんだろうか。
客「おっそいねん！！酒つくんのになんでそんな時間かかるんや！？」
「も、申し訳ございません…」
こんな忙しい曜日の忙しい時間に来店しておいて、この混み混みな店内を見てもわからないのか。
なんて心の中では悪態つくけれど、言葉にすることはできない。
他のお客さんは何かするでもなく、困惑した表情で私たちを見ていた。
客「女のくせに生意気やなあ！！所詮は体しか価値ないやんけ！」
「きゃっ、」
お客さんが私の胸に触れようとしたから、反射で退く。
それが彼の逆鱗に触れてしまったらしい。
客「ああ！？接客業してるくせにサービスのしかたも心得てへんねんなぁ！？」
怒鳴り散らしてはいるものの、キッチンまでは届いていないらしく、照史さんとともくん、店の入口側で慌ただしく動く淳太さんがこちらの様子に気付くことは無い。
客「一発やらせろ、そしたら許したるわ」
「そ、そんなこと……っ、できません！」
客「ほんっまに生意気やな！このクソアマが！！」
「っ！？」
私めがけて投げられたグラス。
頬に当たり、床に落ちて割れた。
バランスを崩した拍子に破片の上に倒れ込んでしまい、足に鋭い痛みが走る。
……酔った人は、何をしでかすかわからない。
身の危険を感じたけれど、ここで自分が引くと、他のお客さんに被害が及ぶかもしれない。
震える体に嘘を吐き、「怖くない、怖くない」と言い聞かせた。
「あの…！」
赤「……お前、ええ加減にせえよ」
なんとか立ち上がろうとした私の前に、大毅くんが現れる。
客「お前ぇ！？てめぇ、お客様に向かってその口の利き方はなんやねん！？」
赤「お前はもう客ちゃう。俺らは客と店員である前に人間同士や。自分が神様やと思ってんのやったら、それは残念ながら間違いやで」
ようやく騒ぎに気付いたのか、照史さんが駆け寄ってくる。
橙「すんません、もう帰っていただけますか。うちでは、迷惑な人はお客さんや思うてないんですわ。
あ、お金は置いてってもらいますよ？迷惑かけるだけかけてタダ飯なんかゆるさへんで」
照史さんの言葉に、男の人は舌打ちと万札を残し、帰っていった。
〆．
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りぃな - この作品すごく好きで、もうすっかり居酒屋うぇすとの常連になってしまいました…笑 これからも大好きです！更新頑張ってください、応援しています！ (2020年10月25日 2時) (
レス) id: 6d972d4f2d (このIDを非表示/違反報告)
粋(プロフ) - 久しぶりの更新、とても楽しく読ませていた抱きました！続編移行、歓喜です！ (2020年10月22日 15時) (レス) id: 962e1b28b4 (このIDを非表示/違反報告)
Dreamgirl(プロフ) - とんでもないです！作者さんのペースでゆっくりでもいいので、更新いつでも待ってます。続編移行してくださるという報告だけでも嬉しいです！応援しています！ (2020年10月21日 18時) (レス) id: 19b6f6daaa (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - お久しぶりです！もう更新ないかなぁと思いながら待っていたのでとても嬉しいです！はゆなさんの余裕のある時に気楽に更新して頂けたらと思います。応援しています！ (2020年10月21日 14時) (レス) id: b3b8d3b067 (このIDを非表示/違反報告)
黄色パーナ - この作品大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年4月1日 0時) (レス) id: ceaebda915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2018年9月20日 17時
