居酒屋妄想日記 ４冊目

お見舞い ページ35

〆．



手術、怖かった。



でも麻酔はよく効いて、手術台の上で眠りについたのに、



目が覚めたら知らない部屋(病室ではない感じ)にいた。



………目覚めは最悪だ。



酸素マスクをしていたから、口呼吸で口内は乾燥。



喋りにくいし、何より麻酔が切れて、痛い。



手術の傷が痛くて痛くて、もがいた。



ともくんと照史さんが苦しそうな顔をして、大丈夫だと言ってくれるけれど……



私には、いつもの余裕が無い。



痛くて痛くてイライラしてしまい、素っ気ない態度を取ってしまった。



最低だ……。



ともかく自分の感情がコントロールできないから、痛いのもつらいし、



無理やり眠りについた。



……次に目が覚めた時も、痛みは変わらなかった。



看護師さんにいろいろしてもらって、病室に運ばれて(四人部屋の廊下側)、



あれだけ寝たのにまた眠くなって寝てしまった。



……結局、普通に起きれたのは夕方。



ベッドの周りには、うえすとの七人全員がいた。



桃「Aっ！」



「のんちゃん……」



赤「はあああ………ああああ……」



「大毅くんは……ちょっと意味わかんない」



赤「安心しとるんや」



黄「いや、今のは奇声やろ」



赤「はあ！？」



一応小声で繰り広げられるショートコント。



笑っちゃうんだけど、笑ったらお腹に響く……。



「ふふっ、っ、痛い痛い痛い……ふふ、」



紫「痛いんかおもろいんかわからんな」



「笑わせないでください……っ、いたた、」



ああもう。



「あ……照史さん、ともくん……ごめんなさい、嫌な態度取ってしまって」



緑「ええよ、そんなこと。俺らもごめんな」



橙「むしろもっとぶつけてくれ思うたわ」



「なんですか…それ…」



心が軽くなった。



七人は面会時間ギリギリまでいてくれて、入院で必要そうなものを用意してくれた。



ケータイの充電器とか、暇つぶしの本とか。



ご飯も飲み物もまだダメって言われてしまってるから、ちょっと落ち込む。



黄「また明日も来るから、な？」



「はぁい……」



残念ながらお別れの時間。



最後まで帰るのを渋ったのはりゅうくんだった。



青「A……」



「りゅうくん、来てくれてありがとうございます」



青「………………」



りゅうくんは私の方に近づいて、



青「寂しくないおまじない」



おでこにキスを落としていった。



〆．

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