居酒屋妄想日記 ３冊目

我慢 ページ25

〆．リクエスト



なんか流星先輩とばっかりイチャイチャしてる感じ。



あとのんちゃんは実際私にべったり。



大人組はあまり好意を出してこないというか、さりげなくさらっとストレートに想いを届けてくれている。



智洋先輩は安定なのかなんなのか……お互いに手料理を振る舞い合うことは増えたかも。



そして大毅先輩。



彼は掴めない。



赤「A〜紙飛行機折った！ほら、ぴゅーん！」



「え、めっちゃ飛ぶ！」



私もつられてしまうんだけど。



まあそんな感じで、日常を過ごしていた。



「いらっしゃいませ〜」



赤「４番テーブルご新規２名様ご来店でーす！」



元気の良さはピカイチ。



「どうぞ、こちらのお席へ」



客「どーもどーも」



客「えらいべっぴんさんやなぁ、姉ちゃん」



「恐れ入ります」



おしぼりは基本手渡し。



広げてお客様の前に出すと、



客「やっぱ若い子はええわぁ、ほれ、肌にハリがある」



「っ！」



客「奥さんに怒られますよ〜？」



ヘラヘラ笑いながら、一人が私の手を握ってきた。



「えと……お先にお飲み物お伺いしてよろしいですか？」



手を軽く引いてハンディを取り出し、なるべく態度に出さないようにする。



客「生やな」



客「俺は焼酎にしとこ。種類なにあるん〜？」



「あ、メニューはこちらに、」



ドリンクのページを開くと、お客様の顔が近づいた。



客「ほー、いろいろあんねんな？姉ちゃんのオススメは？」



肩に手が置かれ、嫌な汗が出てくる。



「そうですね、芋と麦どちらがよろしいですか？」



客「麦やなぁ。……ん？姉ちゃん肩凝っとんちゃうか？揉んだるわ！あ、胸デカイからか？胸も揉んだろか？」



お客様の手がゆっくり体に触れたまま下がる。



「っ、麦焼酎でしたらこちらが沖縄の銘酒で、」



笑顔を繕って、なんとか避けた。



客「……ほんならそれで頼むわ！」



「はい」



ああ、どうしよう。



大毅先輩も同じホールだし、代わってもらおうかな。



パントリーは、智洋先輩がキッチンと兼ねてやってくれてるから頼めないし…。



「４番さん新規ドリンクいただきました！」



いや、これは私が我慢したらいいだけだもん。



二時間もすれば帰るだろうし、大丈夫。



緑「４番さん新規ドリンクお願いします！」



「はいよ！４番さんドリンクいきまーす」



緑「お願いしまーす！」



赤「……お願いしまーす」



〆．

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