【ハイキュー!!】日と影と山と月と雲【男主】

34:そう呼ばれる訳 ページ37

Asaid

僕は家への道を歩く
暗い空には星が光っていて、とても綺麗だ

「ただいま」

ドアを引いてそう言うと、居間の方から「おかえりー」と聞こえてきた
僕は階段を上がって自分の部屋に入る
特別綺麗という訳ではなく、汚いという訳でもない
バレーの荷物と学校のカバンを床に置き、居間へ向かう
その後は、遅めの晩御飯を食べ、風呂に入った

「じゃ、もう上に上がるから」

そう言って居間を出る
自分の部屋で宿題をやり、軽く復習をする
そして、ベットに寝転んで目を閉じた

No said

「よく飛ぶねー、東雲は」

今年入部した数少ない1年生のAのスパイクを見て感心したように、3年生が言う
Aは頭を下げてお礼を言った
セッターの3年生がAに提案した

「なあ東雲、お前さ、ジャンプ磨けよ！絶対エースになれるって！」

Aは戸惑った様に現エースの3年を見るが、その人も笑顔で頷いていた

そして、1年にとって始めての中体連
Aは数の多い2年を押さえてベンチ入りをした
それでも、2年はそれを心から喜び「頼んだぞ」とAの肩を叩いた

中体連の決勝は強豪の北川第一
当然、1年でベンチ入りしたAは注目された
試合では、北川第一の茶髪のセッターがAを徹底的にマークする
3年と1年…ついこの間まで小学生だったAは
潰されはしなかったものの、スパイクは準決勝までの決定率より大幅に低かった
結局、その決勝は負けてしまい、3年生は引退した

主将は2年生が引き継いだ
しかし、ゲームキャプテンは主将がまだ1年であるAを推した
その場にいた全員が驚きの声をあげる
Aもまた、唖然としている

この時すでに、彼には『鳥瞰者』と言う異名が付いていた
驚異的な跳躍力と長い滞空時間、そして鳥のように上からコートの内の弱点を探す
そのため、Aは高いオープントスを打っていた
3年生のセッターが言ったジャンプ力の強化もそこそこした

ひょんな事からゲームキャプテンを務めることになったAは、チームのデータを取り始めた
ベンチに入る人だけではなく、陣洛バレー部全員のデータを、だ

時は流れ、Aにとって2回目の中体連がやってきた
この頃になると、Aのゲームキャプテンも様になり
3年生がゲームキャプテンをやっている所よりも、キャプテンらしく
陣洛中学校をまとめあげていた

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