〇 ページ9
.
今日は土曜日。
1週間を乗り切った社畜である私が唯一体を休められる休日。
いつもだったらどこにも出掛けず趣味のゲームをして一日を過ごすはずなのだが
「また暇な時、うちの店来てな」
あの宮さんの言葉が延々と私の頭の中でぐるぐるしている。
『たまには出かけるのもええか…』
いつもよりは軽く感じる腰を上げて支度をする。
普段はなほぼすっぴんに近いナチュラルメイクだが、今日は気合を入れた。
服も少し前にネットで一目惚れして買ったお気に入りに袖を通そうとした。
『いや待てい!!デートでも行くんかっ?!おにぎり屋に行くだけやぞ!!!張り切りすぎや!!!』
ハッと我に返り、セルフツッコミをして着る寸前でいつもの着慣れた服に変えた。
時間は14時半になるところだった。
お昼時は逃したけどおやつだと思えばいける気がする。
それにお昼時は混んでそうだし逆にこの時間でいいや
と考えながら『いってきまーす』と誰もいない部屋に向かって言い、家を出る。
おにぎり宮までの道は予め調べて予習しておいたので恐らく迷わない。はず。
迷ったら匂いを辿るしかない()
『えーと、ここを右に曲がって…お、あのいい匂いがする』
歩いて5分するとあの日と同じ香りが漂ってきた。
自然とそちらに向かう足が早くなる。
『着いた…おにぎり宮…』
何とか無事に着けた約3週間ぶりのおにぎり宮。
少し緊張するけど、
『こんにちは』
そんなものは振り払って店のドアを開けた。
140人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るた | 作成日時:2021年10月12日 0時