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藤原樹に送り出されて、駆け足で会社へと引き返す
薄っすらと目の下に浮かんだくまが、陸さんが頑張りすぎている証拠なのに、私は平気で帰ろうとして
好きなのに、見て見ぬフリをしようとして…
何事からも、目を背けちゃいけないのに
「陸さんっ！！」
陸「え…A…？どした、忘れ物？」
「違います」
陸「何、走って来たの？」
「はい…手伝いたくて」
陸「…ふふ笑 帰れって言ったのにー」
「っ！」
陸さんの元まで行こうとすると、陸さんはそれより早く立ち上がって、こちらへと歩いて来て
困ったように笑うと、次の瞬間肩に頭を乗せられる
「…大丈夫ですか？」
陸「ん…少しだけ元気ちょうだい？」
「少し休んだ方が…」
陸「大丈夫、これで」
ポケットに手を入れて、頭だけを私の肩にもたれ掛からせたまま陸さんは、暫くの間動かなかった
陸「よし、やるか〜」
「私、データを基に資料作ります」
陸「まじ？助かる、ありがとう」
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気付けばもう22時を過ぎる所だったけれど、陸さんが一人でやろうとしていた仕事を二人で行えた事で、資料はほぼ完成間近だった
「このスライドに二つあるグラフ、一枚じゃなくて二枚にした方が分かりやすいと思うんですけど、もう一度分けて作成してもいいですか？」
陸「あーほんとだ、その方がいいね」
「やっておきます」
聞きに来る時間が勿体無いから、効率を上げる為に陸さんのデスクの近くで作業をしていた
すると、陸さんがフーッと大きく溜息をつく
思わず顔を上げると、口角を少し上げていた陸さんが、こちらを見てニコリと笑った
陸「なんか、いつの間にか出来る女になってる」
「私ですか？」
陸「うん、入りたての頃はなかなか仕事覚えられなくて、苦労してたでしょ？」
「そうですね…その節はお世話になりました」
陸「いいえ笑 楽しかったけどね俺は」
大きく伸びをして、ストレッチをしながら陸さんは、そんな風に言ってくれて
陸「娘を嫁に出す父みたいな気分」
「そんな風に見られてたんですか？笑」
陸「例えだよ笑
そんな風に見た事なんて一度もありません」
おどけた表情から
ちょっぴり男らしい表情へと変わる
陸「綺麗な女性だなぁって、最初から思ってたよ」
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
