60（樹side） ページ12
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樹side
後片付けを終えると
通勤リュックを背負った海青が話しかけて来た
海「樹、飯でも行く？」
樹「ごめん、俺今日A誘おうと思って」
海「おーそっか！」
北「俺行ってやってもいいけど？」
海「北人さん残すじゃないすかいつも」
北「いいじゃん海青食べてくれるんだから〜」
北人さんが海青に劣らず大きく見せようと威張りながら張り合うと、海青は嫌そうな顔を見せて、二人はオフィスを出て行った
そこは威張る所か？笑
思わず笑ってしまったあと、荷物をまとめて隣の部署の前まで行き、彼女の姿を探す
樹「お、いた」
食い入るようにパソコンに向かい、画面に打ち込んでいる彼女を見つける
ここ最近忙しそうだったから、金曜の今日くらい一緒に飯でも行こうかなーなんて…
俺らしくない事させるのも、全てAだから。
「どうしたの？」
樹「飯行こ」
「唐突だね笑」
樹「いや、金曜に誘おうと思ってた」
顔を覗かせて話し、ふわりと笑った彼女に荷物を持って来いと伝えると、青山陸の元に駆け寄って何かを伝えていて
何話してんのか分かんないけど、オフィスから出てきたAはどことなく浮かない顔をしている
樹「あの人平気なの？」
「多分、平気ではない」
樹「…まあ俺もそう思う」
チラッとガラス越しに見る青山陸は、遠くても分かるくらい、顔色は良好ではない
そして、心配そうな色を浮かべる彼女を見ると、俺だって心配せざるを得ない
樹「営業部、何かあったの？」
「うん、陸さんがアプローチをかけてた会社とのね？タイアッププロジェクトの参加権をかけた、コンペが決まったの」
樹「なるほど。その分プレゼン準備とかで抜ける人達の仕事がA達にって訳ね」
会社から出て、二人並びながら歩いていると
「でも、私に出来る事はそんな事くらいで…」
段々と、彼女の顔が曇っていく
「私も、手伝いたいと思ってるのに…」
樹「……行って来れば？」
「…え？」
樹「Aが手伝いたいと思うならさ、自分の気持ちに従うのが一番だろ？」
「…ごめん、行ってくるね」
樹「おう」
駆けていく彼女の後ろ姿を眺めて
樹「…諦めなきゃいけないかもなー」
と、いざ口にしてみるとやっぱり辛いけど
Aの気持ちが一番大事だから
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
