【FGO】人に成る (ページ14)

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episode 12：暖かいページ14

｢ここは飯の時間､寝る時間と時間が決まっているだろ?あれはマスターが考えたんだ。現代の人間の生活を体験してほしいってな。兵士も王も神も怪物もあいつにとっては人間だ｣

誰の意見にも耳を貸す､それでも自分の意見は王や神が相手でもはっきり言うなど､槍兵の口から紡がれる言葉がマスターの人柄を私に伝えていた。

それでも簡単に考えを改めることなんて出来ず､またもごもごと小言を言う。すると槍兵は分かってねーな。と私の頭にぽんっと手を置いた。

｢俺たちはとっくにお前を受け入れた。どんな過去があろうと今味方ならどうだっていい。壁なんて初めっからねーんだよ。だからさっさとこっちに歩いてこい｣

頭に置かれた彼の手の暖かさと彼の言葉が体の奥まで染み込んでいくようだった。

本当に､壁を作っていたのは私の方だったんだ。そう思うとまた涙が溢れてきた。あぁ､私ってこんなに泣き虫だったのか。

｢…そのまま､いてください。頭撫でられるの…夢､だったんです…｣

あとから恥ずかしさがこみ上げてきたが､それもどうでもよくなるほど彼の手が心地よかったのだ。槍兵も察したのか､しばらくそのままでいてくれた。

｢…っし､じゃあまた寝てろ。飯の時間になったら起こしてやる｣

｢はい。…ありがとうございます｣

彼が出ていったあとも私の心は春が来たかのように暖かく､そのぬくもりを胸に私はまた眠りについた。